【32】 ページ32
Sside
コンコン！
軽快なノック音。
いや、豪快かもしれない。
何せ、八重歯くんのノック音だからねぇ。
「翔くん、入るで！」
「なーに。何か用？あれーもしかして、オクラくんに何か言われて叱りに来たんだよね？」
「大倉な。俺らの担当の事件を洗ってるって聞いたら、腹立つし、アイツは黒や。捕まるべくして捕まった犯人や。」
「八重歯くんさぁ、犯人だっていう自信があるなら、俺なんて放っておけばいいじゃん。」
「翔くんがヘルプに来ない理由がそれやから、無視出来へん。」
「色白シャイ班長にもチクったの？」
「妙なあだ名、やめろや。」
「事実じゃん？」
「アイツをバカにしてるんか？」
あーあ、出た出た。
胸ぐら掴んで睨みつけて…これだから、八重歯くん、いや、村上は困るなぁ。
「……触るな。俺は安くない。そして、横山班のヘルプに行ける程、時間に余裕が無いんだ。お引き取り、願いたいね。」
「優先事項がそれなんか？俺らのヘルプ、頼むよ。」
「何度も言わせないでくれないかなぁー？大野班は俺の担当であり、優先事項だから、潔く去れよ。そこまでして、俺を手に入れたいか？」
「……分かったわ。」
汚く淀んで暗く沈んでいた俺の世界を変えてくれたのは「おーのさん」だけなんだよ。
だから、俺から、俺の希望、俺が鑑識官として支えたい人を取り上げないでくれよ。
俺の仕事は大野班にあるんだよ。
彼が去ってから、俺は事件について調べ尽くすが、アイツが犯人では無いという確証が全く出て来ない。
俺の実力不足だ。
おーのさんの役に立つ存在でありたいのに…悔しいくらい、全然、出来ない。
「もしもーし、師範ですかー？」
『師範やで…って、何だよ、櫻井。お前が連絡してくるなんて、珍しいな。まさか、こっちに戻って来るのか？それなら、大歓迎だぞ？』
「…違いますよ。今の所、戻る気はありません。」
『チッ、つまんないなぁ。お前が居ないと俺も寂しいんだぞ？それで要件は何だ？』
電話の相手は俺の唯一信頼できる上司というか、とにかく凄い人。
要件を話すと師範は…。
『仕方無いなぁ。これは愛する櫻井の望みだから、叶えてやってるんだぞ？少しは俺の愛を還元してくれ。』
「報われないですね、師範。」
『お前が俺にキスでも何でもしてくれたら、良いのに、まぁいい。調べ次第、お前のパソコンに転送するから、待ってろ。』
「ありがとうございます！」
俺は奥の手を使ってでも貴方の役に立ちたいよ。
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山風無限(プロフ) - ピーチさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！！凄く励みになります！もうすぐ移行するので、そちらでも宜しくお願いします！ (2018年1月8日 21時) (
レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
ピーチ - 初めてまして！とっても面白いです(*^▽^*)これからも楽しみにしています(^^) (2018年1月8日 21時) (レス) id: 61c51a5765 (このIDを非表示/違反報告)
山風無限(プロフ) - みぃさん» コメントありがとうございます！色々な問題が残されたまま、ストーリーが展開していますが、後々、触れて回収していきます！個人的にはニノを早く出したいのですが…もう少しお待ち下さい！これからも作品を宜しくお願いします！ (2017年12月23日 15時) (レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - そうなんですね！ 大野くんの過去に何があったのか、翔くんが死神としてどのように活躍するのか、も含めて、楽しみにしてます(*≧∀≦*) (2017年12月23日 13時) (レス) id: 4e40d0702b (このIDを非表示/違反報告)
山風無限(プロフ) - みぃさん» コメントありがとうございます！その質問は来ると思ってました。ニノは後々、登場させるつもりです。山コンビに深く関わってくるポジションなのでお楽しみにして下さい。これからも作品を宜しくお願いします！ (2017年12月22日 6時) (レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山風無限 | 作成日時：2017年11月19日 14時
