あいつは敵

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花火まであと数分

屋上の入口で立ったまま動かない


ｶﾞﾁｬ

3「…やっぱりいた」

『やっぱりってなんですか』

3「どうせAさんのことだからさ
入口で立ちっぱなしだろうなって」

図星すぎる

『その通りですけど、なにか』

3「いや、、これ、飲むでしょ？」

いつものりんごジュース

『…どうも』


座ってしばらくすると花火が始まり
グラウンドにいる生徒の声もきこえる

ちらっと横を見る

花火を見上げてる
少し、ほんと少しだけ大人っぽい



3「……俺とAさんの関係ってなんだろう」

『なんですか、藪から棒に』

3「なんだろうなぁ」

目線は花火に向いたまま

『今日の稜雅さん変ですよ』

3「…文化祭だからっすかね」

文化祭のせいにするのか、そうか

『…とりあえずクラスメイトではありますね』

3「……それはそうだな」

また黙る

…なんか変、うん



3「俺さ、Aさんと仲良くしたい
クラスメイト止まりは、なんか嫌だ」

『いつも小学生だのおこちゃまだの言ってくる
のはどこの誰ですかね』

3「…それは仕方ないじゃん」

私の背が低いのがいけないということか

『そうですね、仲良くしてあげてもいいです』

ちょうど花火は盛り上がりなのだろう

生徒の声に隠れて、ぼそっと言う

我ながら、可愛げのない返答


少し笑った気がした

3「…じゃあよろしくな、Aさん」



稜雅さんと仲良くするみたいです

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