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Aが探偵社に戻って仕事をしていると、さっそく佑亮から電話がかかってきた。
電話を切ると、「どうした?」と晃一がAに尋ねてくる。
「十朱グループに離脱の動きがあるって。その中心にいるのが……立藤議員だって」
「立藤?依頼人の恋人か?」
尋ねる海に、Aはうなずいた。
もしかすると、立藤が今回の黒幕かもしれない。
「……マジかよ」
祐基もAと同様、信じられない気持ちでいた。
その後、探偵社のみんなで尾行や張り込みなどをし、野田と立藤のつながりを調べたところ、あっさりと証拠がいくつも見つかった。
「野田の銀座進出の後ろ盾は立藤晋作やった」
晃一は調べたデータをパソコン画面に表示する。
「あのスクープは立藤にとって、十朱グループ離脱のきっかけづくりやったんやろ。スキャンダルを理由にすれば、世話になったグループを出て新しい派閥をつくってもイメージはむしろアップする」
晃一は言った。
野田と立藤の裏のつながりを暴いただけでは、スキャンダルを仕組んだ証拠にはならないが、恐らく間違いないだろう。
立藤の卑劣さに、祐基は「マジで最悪だな」とつぶやいている。
「A、ここまでの中間報告書を作成して」
海がAに言った。
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作者名:MaRU | 作成日時:2018年4月26日 0時