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「桐原、ちょっと来い」
同じ頃、由貴は後藤に北品川署の廊下の隅に呼ばれていた。
「おまえ、最近何かぎまわってんだ？吉野晃一に会 ったろ」
別に何も、と由貴は後藤から目を逸らす。
「管内のことはすぐ知れ渡るんだ。何話したんだ？」
「……プライベートなことです」
「そんなごまかしが利くか」
「じゃあ聞きますけど、後藤さんはおかしいと思わないんですか？この前の調書の改ざんだって……」
「桐原！おまえはバカが付くほど真面目だが、いい刑事だ。俺の手で、首を飛ばすようなことはしたくない。組織の中で生きるということをよく考えろ」
後藤の言いたいことはわかる。
だが、由貴はやはり後藤の目を見ることはできなかった。
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作者名：MaRU | 作成日時：2018年4月26日 0時
