BULLET Detective Agency 3 (ページ49)

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コンセント形の盗聴器は、わりとすぐに寝室で見つかった。

詳しく事情を聞くため、依頼人の三人で盗聴器のない隣の部屋に移動した。

依頼人の飯塚月子はテーブルの上に前日の『夕刊シンジツ』を出した。

そこには『大物弁議士のお忍び撮った！十朱(とあけ)信夫議員(53)、銀座クラブ女性との熱い一夜、一部始終』という記事とふたりが料亭に入っていく写真が載っている。

銀座クラブ女性とは、月子のことだ。

「十朱信夫って、日本革新党の？」

祐基が月子に尋ねる横で、Aは無遠慮に記事の写真と月子を見比べている。

「私、食事しただけですから」

月子が冷ややかに言うと「失礼しました」とAは目を逸らした。

「ホテルの部屋に入ったとか、そういう部分はねつ造です。私がコメントしたことになってるけど、取材なんか受けてないんです」

「写真も外で撮られてるし、記事もでたらめなんですよね。どうしてこの部屋の盗聴を疑ったんですか？」

祐基が尋ねると、月子が記事のある部分を指さした。

Aがそれを声に出して読む。

「『T子さんによると、自宅に十朱議員から直接電話があり……』」

「それは本当なんです。先ほどの寝室で十朱さんからの電話を受けました。そのことは誰にも話してません」

「じゃあ、そのときの電話を盗聴して、会う場所を知ったんだ」

「普段ここに出入りする人は？」

Aと祐基が言うと、月子はふたりを睨みつける。

「いません。私だけです」

月子はなぜかつんけんとした口調で、家族も友人もここには来ないのだと言い張る。

「おつきあいされてる方、いますよね？彼氏いるでしょ、月子さん」

祐基が月子の表情をのぞきこむようにしながら、月子の後ろの壁をさした。

大きな月の写真の横に、額に入った英文の証書がある。

「あれ、月の土地の権利書ですよね？『月子』って名前の人に月の土地をプレゼントするのは、彼氏でしょ？」

「彼氏じゃなくても、くれる人はいくらでもいます。とにかく、盗聴器を仕掛けた人間を捜してください」

月子は相変わらず、取りつく島もない。

「……まずは周辺を調査します。ご協力いただくこともあるかもしれません」

Aも月子に負けないくらい、感じの悪い口調で言い返した。

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