BULLET Detective Agency 3 (ページ24)

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祐基はライターを盾にした小林にじりじりと近づいていった。

祐基がキックを繰り出すと、小林は焦ってライターを手放した。

「あっ！」

まるでスローモーションになったように、火の点いたライターが宙を舞う。

祐基がサッカーのシュートのように、オイルにまみれた依頼書に落ちる寸前でライターを蹴飛ばした。

ライターがオイルのまかれていない入り口の床へと飛んでいく。

「危ねーっ！」

祐基がほっとしたのも束の間、

「祐基！」

海が叫んだ。

小林がナイフを取りだしている。

「マジかよ」

しかし祐基は焦ることなく、素早くパンチとキックを繰り出し、小林の手からナイフを奪った。

稜雅にすすめられた格闘技ジムに通いだし、祐基の格闘センスはずいぶんと鍛えられたのだ。

「あー！祐基、捜したんだからね！」

そこに祐基がいなくなったせいで、クイズ番組に参加しそこねたAが、怒りながら入ってきた。

と、床に落ちていたライターを蹴飛ばしてしまい、小林の足元へと転がってしまう。

小林はライターを拾って再び火を点けた。

「危ない！」

海が叫んだのと同時に、祐基が小林に回し蹴りを決めた。

小林がゆっくりと倒れ、手からライターが落ちる。

「あ！」

海と祐基とAは声を上げた……と、入り口から駆け込んできた晃一が両手でライターをスライディングキャッチした。

「熱ち、熱ち、熱ち……！」

床に滑り込んだ晃一の手の上で、ライターが踊っている。

祐基がすかさず取り上げ、火を消した。

「ナイスキャッチ！」

祐基が声をかけると、こうはホッとした様子で親指を立てた。

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