151本のロマネとストラディバリウス 後半ジンside ページ25
ジン「…じゃあ、そろそろ俺達はお暇させてもらうぜ」
「あれ、もう帰られるんですか?」
店を【CLOSE】にしてから30分程で席を立ったジンに、思わず声を掛ける。
いつもなら1時間は居座るのに…
ジン「次また出掛けると言っただろ。…その時はシャルトリューズでも用意しておけ」
「今度はリキュールかよ」
ジン「フン。…ウォッカ、行くぞ」
ウォッカ「へい。では姉貴、また年明けに会いやしょうぜ」
「あ、はい…」
挨拶した後すぐに出ていった二人を見送り、今度こそ店の鍵を閉めた。
「よし。…ひろー!明日の準備、できてますかー!?」
楽しみで楽しみで、店と家を繋ぐ鍵も閉めた事を確認できれば、私はすぐにひろの元に駆け出していた。
ージンsideー
ウォッカ「にしても、兄貴らしくないですねぇ…こんなに早く帰っちまうなんて…」
「フン、明日会えないなんて言われりゃ興ざめしてな。…まぁ、要するにくだらねぇ嫉妬だ」
ウォッカ「?明日会えねぇなら尚更今会っときゃ良かったんじゃあ…」
「…まぁ、そうだな」
ウォッカに言われれば言われる程、何故こんなに早く店を出ちまったのかを悔やむ気持ちが強くなっていく。
…まあ、くだらねぇ嫉妬なのは間違いないのだが、ここまで拗らせていたと思うともはや自分に呆れてくる。
…本来なら明日は
「俺もとうとう焼きが回ったかもな」
ウォッカ「冗談を。兄貴はまだまだ若いのに…」
「…どうだかな……」
女一人にこれ程酔わされるとは、俺もまだまだだと思うが。
…否、彼奴が悪いって事にしておこうか。
これ程迄に俺を夢中にさせるのが悪い…なんてな。
「…シャルト、リューズ……」
ウォッカ「…?」
「Aがいつか他の男のものになったとしても、俺は永遠に彼奴をそう呼び続けるだろうよ」
ウォッカ「…随分と消極的ですね」
「ま、俺にしちゃそうなのかもな。…何せあの赤井秀一までもを惑わせる女だ。傍から見りゃただの餓鬼なのに、恐ろしいもんだぜ」
まぁ、そんな餓鬼に惚れた俺も相当なものなんだろうな。
ここまで引き摺るなんざ俺らしくねぇ。
ウォッカ「兄貴は一人で年越しするんですかい…?」
「フン、俺にとっちゃ大晦日だ正月だ何て関係ねぇ。…彼奴がいねぇならな」
ウォッカ「そうですかい…(相当拗らせてやすね…)」
心配そうに此方を伺うウォッカを横目に、俺はもう吸えなくなった煙草をケースに捨てた。
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sz , - GLも最高ですよ()。キール落ちとか!ベルモット落ちとか!?(( (3月9日 22時) (レス) id: 85bce2a159 (このIDを非表示/違反報告)
とらべらー(プロフ) - 綾小路きよまろって…きみまろみたい笑シリーズの更新頑張ってください!! (1月14日 15時) (レス) @page39 id: 5945bfc123 (このIDを非表示/違反報告)
なる(プロフ) - ロマネバンザーイ!!!いつも楽しく読ませて頂いております!これから益々寒くなりますのでご自愛ください!いつも応援してます! (2022年11月25日 19時) (レス) @page50 id: 285e4df361 (このIDを非表示/違反報告)
ごーやちゃんぷる(プロフ) - いつもコソコソ見ていました!作者様のお話最高です!!いつも応援してます!またゆっくりでも更新してくれるだけで神なので!これからも頑張ってください!!💕 (2022年11月25日 17時) (レス) @page50 id: 83514816a4 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 煕流さん» うわぁああ!!ありがとうございます!!あと、第5弾……期待しちゃっていいですか☺️ (2022年11月25日 1時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煕流 | 作成日時:2020年5月6日 11時