【逆ハー】ロマネとストラディバリウスの次は何が壊れるのかって考え始めてる私が怖い〜第四章〜【名探偵コナン】

142本のロマネとストラディバリウス 降谷side ページ16

「私的にはむしろありがたいですけどね、仕事の邪魔されないし」

降谷「…そう、ですよね……」


いけない、立場上一般市民の前で弱音を吐くなんて、こんな姿を見せてはいけないのに。


…でも。

彼女はどこか、不思議なオーラがあって。
仲良くなりたい…なんて、この歳にもなって感じる事になるとは思っても見なかった欲にかられている。

組織の飲み会(？)の時も、本当にここはあの冷酷非道な連中の集まりなのかと疑ってしまった。
そんな空気をつくりだした彼女に、惹かれている自分がいる。

でも、彼女が俺が公安だと知っているからこそ仲良くなるなんて難しくて。
今も、ハニートラップなんじゃないかって疑われているようだ。


「…まあ、うるさいのがいなくなったら、少し経てば寂しくなるかもしれませんね」

降谷「！！」


俺の表情を見て気を遣わせてしまったのだろうか。

なんだか、彼女の方が俺よりも一枚も二枚も上手な気がしてならない。
現に君の一言で、俺の心は先程と一変して軽くなったのだから。


「…仲良くしたい、って思ってくれてるんですか？」

降谷「っはい！ハニートラップなんかじゃなくて、本気で…！」

「でも、私達ってかなり年の差ありますけど…降谷さんは大丈夫なんですか？」


確かに、俺達が友人として過ごすのは世間的に難しいかもしれない。
ましてや俺は公安なのに、未成年に手を出すなんて怒られないか…？？

…いや、でも俺は、本気で貴女と仲を深めたくて。


降谷「全然！貴女さえ気にならなければ…！」

「なら、お友達として…よろしくお願いします」

降谷「！！あっ、頭を上げてください…！」


ぺこりと頭を下げた彼女に、慌てて頭を上げてもらう。

あれ、俺ってこんなに不器用だったっけ…？
いつも男女かまわず、すぐに人と打ち解けられるのに。

…本気で想うと、こんなにも難しかったのか。


「降谷さん、不器用なんですね」

降谷「た、たった今それを考えていたところです…」


くすくすと笑う貴女を見て、とくりと胸が音を立てるのを聞いた。

…あれ？なんだ、これ……


「降谷さんの方が歳上ですし、…お友達なんですし、タメ口で話してください」

降谷「！ああ、分かった。Aも、そんなに畏まらなくて良い。…改めてよろしくな、A」

「ええ、此方こそ〜」


…降谷さん、か。
いつか零って、呼んでもらえるかな。

…あれ？
俺はAと…友達に、なりたかったんだよな…？

143本のロマネとストラディバリウス→←141本のロマネとストラディバリウス

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す