検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:34,660 hit

ページ ページ20

本来は先生と生徒がマンツーマンで教えるシステムだが、私とさかたんは幼馴染みということで2人で教えてもらうことになった。




「で、この答えになるってこと」


『なるほど…!』


「え?なんで?どこからこの数字出てくんねん」


『だからこの公式使うんだって』


「なんで?これさっき使ったやん!しかもなんでここ掛け算なん!?」







何度同じ説明をしても理解できていない彼に、正直少しだけイライラしてしまう。


センラ先生も、さかたんの質問攻めに苦笑いしちゃってるし……。







『先生がこんなに分かりやすくて教えてくれてるのになんで分からないの?』


「俺だって理解しようとしてんねん!」


『先生のこと困らせないでよ!』


「塾の先生はそれが仕事やろ!」






……なんか、今日すごくイライラする。

こんな小さなケンカ、いつもなら笑って終われるのに。



その後からは、大好きな先生が教えてくれる勉強もあまり集中できなかった。











「じゃあ今日はここまでかな〜」


「はぁー!疲れたー!」


『先生、ありがとうございました』


「A、せっかくやし一緒に帰ろうや」


『……私、自習室で勉強してから帰るから』


「おぉ、そ、っか……」





別に怒ってるわけじゃないのに、さっきからこんな態度ばかりとってしまう。

今日の私、なにかおかしい。






























……………………。




……………………。








「あれ!?Aさんまだおったん!?」


『あ、センラ先生』


「もう塾閉まるよ?」


『え!?もうそんな時間!?』





最初は5人ほどいた自習室も、気付けば私しかいなかった。


結局、全然進まなくてずっとぼーっとしてたし。




「あと、いま大雨警報出てんねん」


『大雨警報!?』




急いで帰ります!と大慌てで参考書を鞄に突っ込んで準備をする。




『先生さよな___あ!!!』




お辞儀をして先生の横を通り過ぎようとしたとき、あることを思い出して大声をあげてしまった。





「どうかしたん?」



『…………傘、学校に忘れてきちゃいました』






どうしよう……


お母さん呼んで迎えに来てもらうしか……
















「俺、送るわ」








『え??』









送るって先生の車で?


先生とふたりきり?


そんなの、耐えられるわけない……!

次ページ→←前ページ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (82 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
281人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , USSS
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

松野かほ(プロフ) - センラ先生好きだけど…坂田くん…うぅ……頑張って坂田くん… (2020年8月11日 17時) (レス) id: 845a75d25b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうは - まーかーさん» コメントありがとうございます!センラさんの大人な感じ好きなんです…! (2020年8月10日 17時) (レス) id: 5abfe30b19 (このIDを非表示/違反報告)
まーかー(プロフ) - センラ先生がめっちゃ格好いいです...! (2020年8月9日 20時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうは - かんあさん» そう言っていただけてとても嬉しいです!ありがとうございます頑張りますー! (2020年8月8日 22時) (レス) id: efd2920303 (このIDを非表示/違反報告)
かんあ - 志麻さんのストーカーの話めちゃめちゃ好きです!これからも頑張ってください! (2020年8月7日 14時) (レス) id: fba64eca5d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆうは | 作成日時:2020年7月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。