ほんと、不器用だなぁ【USSS】

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＿＿志麻先輩、大好きでした。






そう呟いて走り去っていく。






「は？なんやねんアイツ」


「……追いかけなくていいの？」


「なんで俺が追いかけなあかんねん」


「どこまでも素直じゃないねぇ」








厄介なストーカーがやっとおらんくなった。


毎日毎日、息切れしながら校門で待ってるアイツの姿。



それが、やっとなくなる。








「今日で最後って言ってたぞ」


「……明日になったらどうせ志麻先輩！好きです！って駆け寄ってくるやろ」


「すごい自信だな」


「……迷惑やったし、おらんくなって清々する」








でも、なんで急に？



さっきまで俺の好きなところを散々語ってたくせに何かを察したように突然消えた。






最後のアイツの言葉は、



"大好きでした"







なんで過去形やねん…








「やっぱりいい子だね、Aちゃん」


「は？」


「まーしぃが消えてくれって言えばすぐ離れちゃってさ」


「俺そんなこと言ってないねんけど」









俺がいつ消えろなんて言った？



うらたさんの言葉の意味が分からず、ぽかんとしていると







「うわっ！？」




突然、目の前に指が二本。



うらたさんが、俺の目に向かって目潰しのような動きをしてきた。









「その目だよ」


「……目？」


「Aちゃんがまーしぃのこと好きだって言ってるとき、すげぇ目だった」


「どんな目やった…？」


「お前のことが嫌いだ！消えろ！関わるな！って感じの目」







自分ではそんな目を向けたつもりは全くない。


好きだ好きだと言って、肝心なことを言わないアイツにただ腹が立っただけ。




「本当は気になってるんでしょ？」


「……そんなわけないやん」


「じゃあ俺がAちゃん奪っちゃってもいい？」


「は？」






アイツはただのストーカー。

あんなやつのことなんて少しも気になってへんし。






別に、うらたさんに奪われても＿＿＿








俺のことが好きだと一生懸命に伝えるアイツが


俺にどれだけ冷たくされても毎日好きだと言うアイツが







うらたさんのものに…？












「冗談だって、そんな怖い顔すんなよ〜」












アイツが俺以外を好きになるなんて










やっぱ許さねぇ








だけど次の日も、その次の日も、



アイツはもう校門にはいなかった。

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