不器用すぎて愛しくて。

不器用04 ページ4

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「……落ち着いたか？」









鼻を啜ってる私の隣で

菊池くんが前を向いたまま尋ねる。









「うん……」









菊池くんは泣き始めた私に

戸惑いながらも

何も言わずに、ずっと隣にいてくれた。









「ごめんね、菊池くん」









今の状況って

ほんとにあり得ないことで。









「謝ることじゃない」









菊池くんは

気にしてないように立ち上がった。









「暗くなっちゃったね」




　
　









すっかり日は落ちて

外は真っ暗。









「……送る、」


　









当然かのように呟いた言葉を

理解するのには時間がかかって。









「え、今、なんて？」

「……送るって」









私をチラ、と見て

眉間にシワを寄せる菊池くん。









「え、いや、いいよ！」









全力で断る私に

少し寂しそうな表情が見えた気がした。









「こんな暗い中、
　一人で歩かせらんねーだろ」









何かあったら困んだよ。









菊池くんは私の返事を待たずに

歩き始めた。









さっきの菊池くんの表情に

なぜか何も言えなくて

私は菊池くんの背中を追いかけた。









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