不器用すぎて愛しくて。

不器用02 ページ2

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「……ぅ、っ、」









抑えても抑えても

涙が止まらなくて。







こんなに好きだったんだって

今更気づいた。









「聡くんの、ばか、」









小さく呟くと

気づかなかった足音が私の後ろで止まる。









「……」









恐る恐る振り向くと

私は石のように固まって。









「菊池くん……」









眉間にシワを寄せた

菊池くんが私を見つめていた。







菊池くんは

一言で言ってしまえば、ヤンキー。







1人で30人相手に勝ったとか

実はタトゥーが入ってるとか

親はヤクザとか。








そんな噂が広がってて

誰も近づかない。









どうしよう。

みんなに言いふらされるかな。






　



確か、

目があったら、殴られるんじゃなかったっけ。









「……見苦しいところをごめんなさいっ」









菊池くんは無表情で

殴られまいと私が構えた手を

見向きもせずに私の横を通りすぎた。









逆に恥ずかしい。

一人で構えてばかみたい。









目があったら殴られる説は

嘘だったな。









そんなことを考えていると

また聡くんが頭にちらついて

涙が戻ってくる。









もう泣かないようにと必死に上を見ても

結局溢れて。









手で顔を覆うと








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「……大丈夫か、？」









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遠慮気味な声が

教室に響いた。









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