162話 ページ27
「なんと言おうと、Aを連れてはいけない」
──断られた。
「……どうして？」
どうして私を連れていかないのだろう。
私が行ったら物事が丸く収まるかもしれないのに。
なぜそこまで、シンドバッドは拒否するのだろう。
シンドバッドは一瞬困った表情になり、それから笑顔をつくる。
笑顔を、作った。
「とにかく、Aはヤムライハとアラジンと一緒に待っててくれ、な？」
優しく、安心させるように、小さい子供をなだめるように、私の頭に手をおいて嘘の笑顔を見せるシンドバッド。
「……分かったよ」
私がそう言うと、シンドバッドはホッとした表情になり、私に背を向けようとする。
「シンドバッドが私を連れて行かない理由が、分かったよ」
シンドバッドの表情が変わる。
安堵から、焦りへ。
「シンドバッド、私のこと信用してないんでしょ」
私はシンドバッドを見つめる。
シンドバッドは目を見開いた。
私がイスナーンと話したら、仲間になってしまうとでも思ったのだろうか。
それとも、殺されてしまうとでも思ったか。
どちらにしろ、私のことを信用していないのは確かだ。
その事実が、私にとってはただただ────悲しい。
信用してほしかった。
だって私たちは友達でしょ？
お互いのことはあまり知らないけれど、友情関係にそんなもの必要ないじゃん。
でもきっと、シンドバッドにとって私はただの知り合いだったんだ。
その事実が凄く悲しい。
私は友達だと思ってたのに。
「ッ……A、」
何か、言葉を紡ごうとするシンドバッド。
でも、私はその言葉を遮った。
「もういいよ……私、自分で行くから」
私はそう静かに言って、窓から出て浮遊魔法で空を飛び、シンドリアを後にする。
「待てッ！！！A！！？！？」
背後で私を呼ぶ声が聞こえたが、私は無視してそのまま飛び続けた。
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中学生なのに暇人 - 織叶さん» コメントありがとうございます（ ; ; ）応援、とても嬉しいです。続きを待っていてくれて本当にありがとうございます！更新、頑張りたいと思います！ (2019年10月21日 2時) (
レス) id: 5432413cdc (このIDを非表示/違反報告)
織叶(プロフ) - 更新おつかれさまです！続きを読むことができてほんとうにうれしいです！！ジャーファルとシンドバッドの会話が素敵だなって思いました…！これからも応援しています！ (2019年8月30日 19時) (レス) id: da72fed0d7 (このIDを非表示/違反報告)
りほこ(プロフ) - 続きが見たいですー！！！！！更新頑張ってください！！！！！！！！！ (2019年1月31日 18時) (レス) id: e6d24bafa3 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 更新楽しみにしてます^^* ゆっくりでもいいので、更新頑張って下さい！ (2018年10月22日 3時) (レス) id: cfa47c9152 (このIDを非表示/違反報告)
ネギマ(プロフ) - 更新待ってます。 (2018年9月28日 2時) (レス) id: 97ed89bb2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中学生なのに暇人 | 作成日時：2014年8月7日 22時
