小さくなってもうるさい！６ (ページ36)

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高地

帰りの車。後部座席に座った慎太郎はずっと静かだった。

高「今日楽しかった？」

慎「うん、楽しかったよ。」

高「なら良かった。」

観覧車を終えて時間も時間だと解散。

車に乗る直前まで変わらず仲良く話してたけど、慎太郎の顔は明らかに寂しげだった。

伝わらなかったのかなって。

難しいよね、対象は子どもなのに考えは子どもみたいに単純じゃないから。

大人と同じように恋をするんだから。

慎「こーちぃ、いつ大人になるかな。」

高「んーどうだろうね。薬が切れるのも近いうちらしいよ？」

慎「そうなんだ。じゃあ待てないね。」

高「そう、、だね。」

あの子が大人になるのをって話だと思う。

恋愛的な好きの本当の意味をわかる年齢になるまで慎太郎はこのまま成長は出来ないから。

もう１年もない内に成人男性に戻って、男女として交流することはきっと無くなるから。

慎「まぁ、、、これで良いのかな。」

ちょっとだけ鼻声の慎太郎。

想いが伝わらないことだけが、慎太郎にとっての告白の失敗なのかもしれない。

高「慎太郎、お前かっこいいよ。」

慎「、、、ありがと。」

バッグミラーには、涙を流しながら微笑む慎太郎が写っていた。

これは、うちの末っ子のほろ苦くも甘酸っぱいちょっと不思議な恋の話。