検索窓
今日:29 hit、昨日:37 hit、合計:76,739 hit

ページ ページ9

森本がエレベーターに乗るところまで見送って、インターホンを鳴らす。1分ほど待って返事がないからもう1度。

「えぇ、、ユウさん?開けて?」

しばらく名前を呼んでいるとガサッと向こうに気配を感じた。

「ねぇユウさん、開けてくれない?鍵家の中。」

「、、したの?」

「なに?」

「契約しちゃったの?って!」

感情的に叫んだユウさんが鼻をすする音が聞こえる。

「ユウさん、してないよ?泣かないで?」

「じゃあなんで早く戻ってこないの?」

前の彼女を思い出す。仕事ばっかりで私はなんなの?って泣かせちゃった時みたいだ。隣の奥さんがガチャッと玄関を開けて顔を覗かせる。白い目に小さく会釈をした。

顎でインターホンをクイクイと指してバタンと閉められた。

いや、わかってますよ、俺だって、、。

「森本さんと話してただけだって。」

「本当?」

「本当の本当!!お願いだから開けてよー。」

「うん、、ごめん。」

プツッと通信が切れて玄関が開く。足幅程度しか開けてくれないユウさんは、一応申し訳なくは思ってくれているらしい。

「すみません。」

「いいよ、入るね。」

「怒らないの?」

「別に?困ったけど嫌だったんでしょ?永久雇用契約が。こういうことをするくらいに嫌だって話。」

「ありがとう、、。」

ユウさんが指導されてきた理由はわかった気がする。徹底抗戦なんだな、ユウさんって。

「でも、俺そんな強引なことしないから次からはちゃんと話し合おう。そうしてくれたら嬉しい。」

「ごめん、なさい。」

「いーよ。ほら、朝御飯食べよー。」

ユウさんの肩を触ってリビングへ向かう。

ユウさんは勝手に俺が永久雇用契約を結ぶと思ったのだろうか。

そんな風に見えてる?

それとも伊藤が現れてカリカリしていた?

森本も知らないユウさんと伊藤のことってなんなんだ。

あの男、ユウさんと何があるんだ?

次ページ→←前ページ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (169 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
475人がお気に入り
設定タグ:SixTONES , ゆごじぇ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:久遠さん | 作成日時:2021年9月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。