リライト 2 (ページ48)

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ジェシー

その後、伊藤は残念そうな顔をして坂口を引きずりながら小山を降りていった。

そして京本からリークの話を聞かされた。今日も朝からそのニュースばかりで世界的にも問題になってるらしい。

ユウさんはちゃんと話がしたいと言った京本に連れていかれてしまって、挨拶も出来ずにお別れになった。

樹からは明け方に「見たか！」と快活な電話が来て、火事のニュースも会社のニュースも見たと伝えたら酷く落ち込んでしまった。今はシショーさんの所にいるらしい。

目黒からは心配のメールが届いた。ナナセのこともいつか話さなくてはならないだろうし、勘違いしているのか「俺は信じてます。会社のことは任せて下さい！」と送ってきた。俺は悪人側らしい。京本と一緒に頑張ったってことも教えないと。

「はぁ、、。」

自分で入れた濃いコーヒーを啜ってため息をつく。昨夜は寝られなかったし疲労感と喪失感で何も出来そうにない。

何もスッキリすることがないと思いながらダラリと体の半分をソファーから落としてニュースを見る。

そこへインターホンが鳴る。

宅配に出るのも面倒くさい。一昨日くらいに頼んだ洋服だろうと無視を決め込んでいると、勝手に玄関が開いた。

「起きてますかー！」

「え、、！？」

聞き覚えのある声に疲労感なんて撤回！！

急いで行くと、割りと荷物の多いユウさんがいた。

「ごめんなさい勝手に入っちゃって。お願いと、やらなきゃいけないことがあって、、、。」

「お願い？」

「えっと、、一応昨日の内に発信器？も除去されてたんだけど、会社の施設出なきゃいけなくてさ。お金は支給してくれたし見つかるまで使って良いらしいんだけど嫌でさぁ、、」

なんかゴニョゴニョ言ってるけどこの荷物を見たら察しがつく。

「住もうとしてる？」

「最初に思い付いたのがここだったの！ダメ？」

「いいよ。」

「え？」

「え？」

ダメ？なんて言われたらNOって言えないんだって。わかっててやってるよね！絶対！

「じゃあ、お世話になります。」

頭を下げたユウさんが玄関を上がってリビングへと物を運んでいく。忘れる前に、、と言って寝室へと寄り道した。

「何したかったの？」

「機械を外さなきゃいけなくて、気にしないで。」

いや、気にするよ。驚きはしないけど。

わざわざ聞くのも面倒くさくなって何も言わずにユウさんのためにお茶を入れる。