リライト 2 (ページ33)

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「そんなに酷いんですか？」

『そーねぇ。俺は優秀だから気づかれてないみたい。物は無事よ。で、用件はそれだけ？』

「いえ、記事を今夜中にお願いしたい。」

『いいの？チェックしないで。』

「はい、信じてます。深澤さん。」

『ふっ、りょーかい。』

電話を切って森本の自宅を出る。丁度車が到着した頃だった。京本が助手席に乗り込む。

「向こうが動き出してるようだ。ジェシーさんの自宅の方へと向かってくれ。」

「どうしてです？」

「あの人もきっとユウを探してる。それに、
ユウを守ってくれる人だ。あの人が知りたがってること、話すべきだと思う。」

「、、承知しました。行きましょう。」

ーーーーーー
ジェシー

「ジェシーさん！！」

樹に電話をしながらエントランスを抜けると停車する黒い車の助手席から京本が俺の名前を呼んだ。「早く乗って！」と運転席の森本が叫ぶ。

乗れ！と樹に促されて戸惑いながらも乗ると電話が切られる。

「俺、ユウさんを探してて、、」

「こちらも同じです。森本、止まったか。」

「はい、自然公園にいます。」

こんなにバディー感のある2人だっただろうか。

自分が知っている京本と森本の関係性ではなくて、より一層今の状況に戸惑う。

最初はただユウさんの言葉を信じて喜んでいた。でも家を出るときのユウさんに違和感をもったんだ。

「すぐ連絡くれるの？」

「うん、ジェシーさんには知らせたいし。」

「そっか、気を付けてね。」

「、、ありがとう。」

言葉におかしなところは無かったはずなのに最後だけが妙にこびりついて俺の気持ちをソワソワさせた。

堪らなくなってユウさんに連絡すると「心配しすぎ。」と笑われて、いつもの束縛のせいだと思ったけど、そうではないと気づいたのが樹に連絡する直前のことだった。

「ユウさんの居場所がわかるんですか？」

「発信器が親指の付け根にあるんです。取ろうと思えば取られます。」

京本が張り詰めた表情で答えて自分の違和感が間違っていなかったと確信する。

でも何から聞けばいいのか。

ユウさんに何が起きているのか。

ナナセは誰？ペンダントはどうやってユウさんのもとに？

伊藤はユウさんに何をしたの？

京本は誰の味方？

ユウさんは何者？

「あの、、説明して下さい。」

俺の言葉に京本が息を吐く。

シリアスな京本の声が車内に鳴った。