リライト 2 (ページ23)

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ジワジワと目頭が熱くなる。

一方新内自身は声だけが泣いている。乾いた肌は乾いたまま。

それに気付いた時、さっきまでとは違う熱さが胸を込み上げてきた。

少しでも新内をいい人だと思った自分がバカだった。

自分のせいで人が死んだという罪の意識しかないんだ。

ナナセのことなんて、虜とか言いながら本当に大切にはしていなかった。

ナナセを失って悲しいなんて思ってないんだ。

話を聞けばそりゃそうだ。

勝手にナナセの将来を決めて、歯向かったら刃を向けた。

結局は、人の人生を買う男なんだ。

「許してほしいなんて、、許されると思うなよ。」

攻撃したかった訳じゃない。

ただナナセを忘れさせたくなかった。

ユウさんがあのペンダントを何らかの形で形見として受け取ったなら、この男にはその意識が相応しい。

「すみません、ありがとうございました。」

それからどうやって帰宅したのか覚えていない。

ただユウさんに会いたかった。

「おかえり。」

「ユウさん！」

「おっと、、久しぶりにその帰宅だね。」

玄関でユウさんの顔を見た瞬間、深く沈んでいた意識が戻ってきてユウさんに抱きついた。

「どうしたの？今回は俺元気なんだけど。」

「ユウさん、早く借金返して取り戻そうね。ユウさんの人生、進めようね。こんなとこ早く出ていって、、、。」

「ジェシーさん、、。」

静かになったユウさんが俺の腕を掴んで身体を離す。目をしっかりと合わせた。

「俺はいつまでもこんなところにいるつもりはないよ。」

前とは違う、ユウさんの本心。頑固だから頼もしい。その言葉を聞けるだけで、今の自分に自信がもてるような気がした。

「うん、こんなとこ出よう。」

「あ、こんなとこって会社の話だよ？俺、ジェシーさんのことそんな風に思ってないからね？ここはお風呂広いし好きだよ。」

「わかってるよ！てか、もっと良いとこあるでしょ！同居人が素敵だとか！だとか！」

真面目な雰囲気だったのにユウさんにぶち壊されちゃった。だけどユウさんと確かに分かち合えてるものがある気がする。

例え別れだとしても、俺はユウさんに自分の人生を返さなきゃいけない。

俺も新内と同じ人間だ。わかってて買ってる。

だから自分のためにもやりきらないと。

俺は、あんな男と同じになんてなりたくない。