リライト 2 (ページ19)

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ジェシー

「いってくるね。」

「うん、いってらっしゃい。」

ユウさんがなんだか上の空のような気がする。笑顔もぎこちないし魚は焦げてたし、梅干しと間違えてプチトマトを白米に乗っけてた。

もしかして熱？

履いた靴を脱いでユウさんに歩み寄る。前髪をあげておでこに触れてみたけどひんやりしていた。

「なーに？ジェシーさん。」

「ユウさん無理しちゃダメだからね？」

「俺元気だよ？これ本当。」

「そうみたいだけど、、」

「ほらほらいってらっしゃい！」

「いってきます。」

「＿＿＿ていうね。心配だから電話しちゃおうかな。」

「やめた方がいいっすよ。ユウさんにだって色々あるんすよ。」

「色々ねー。」

「恋とか？」

「恋！？詳しく！」

「知らないっすよ！」

昼休憩になってすぐに目黒が時間を合わせて一緒に食べたいと言ってきた。目黒は気づいていなかったけどその背後には俺を呪うかのような顔でシノちゃんが立っていた。誘おうとした矢先に目黒が俺を誘っちゃったのだ。

もちろんそれに気づいて目黒の誘いを断ろうとしたのだけど、こういうときに限って察しが悪い目黒と押し問答になった。ここは俺が折れるしかないとシノちゃんの呪いを受ける覚悟を決めてOKをした。

それで屋上に行きながらユウさんの話をし、テラスでもその話をしていた。

「ユウさんも悩みくらいありますよ。」

「そっかぁ、話してくれてもいいのに。」

目黒が勝手に愛妻弁当と呼んでいるユウさんのお弁当を突きながら、ユウさんの朝のポンコツぶりを思い出す。

なんかしょっぱいなこの和え物。

本当に本当に大丈夫だろうか。

「そんなしかめっ面で食べないでくださいよ。」

「これ食べて。」

大きい塩おにぎりを頬張る目黒に和え物を差し出す。目黒が怪訝な顔をしてすぐにその表情を引っ込めた。

「美味いっす。」

「嘘つけよ！見えてたよ、嫌そうな顔。」

「すみません。ユウさんにしてはって感じっすね。」

「そう。心配だよ、わかりやすく色々あってさ。はぁ、、、。てか目黒は何話したかったの？」

「あぁその事なんすけど。」

目黒がお茶を飲んで箸を置く。まるで怖い話でもするみたいに声を潜めてテーブルの中央まで顔が届くように前屈みになった。