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ジェシー
樹「あーーー。」
ジ「黙って寝たらいいのに。」
樹「寝たら負けたみたいになんだろ。」
俺の右側で温かいアイマスクをしてダラリと車の座席に体重を預ける樹は頭痛がするらしい。
なんで負けなのか俺にはわからないけど、勝敗とか症状と戦うとかに熱くなる時期なんだろう。
ジ「薬は?」
樹「一応な。でもあんま、」
ジ「バテたんじゃない?水飲んだ?ちゃんと飯食ってる?」
樹「お前俺のこと高地だと思ってない?」
確かに高地によく言っていた言葉だけど、間違えるわけない。
それは良いとして本当にバテてたら危険だから、樹の前にあるホルダーに置かれているお茶を開ける。少し傾けたら中身が出てきそうな量に、また小言を言いそうになった。
ジ「口開けなよ。お茶。」
たくさん飲ませようと傾けると思いの外出てしまってお茶が口の端から溢れる。樹が口をすぐに閉じて、俺は手を樹の顎に添えてお茶を受け止めた。
樹「お前殺す気か!」
ジ「AHAHA!ごめん、こんな出ると思わなかった。お詫びにギャグしてあげる。」
樹「いらねぇよ。」
樹がまた座席にもたれる。割ときついのかもしれないと静かにしていたら、樹が無言で俺の太ももに平を見せて手を置いてきた。
ジ「何してんの?樹。」
樹「詫びだよ、頭痛に効くって言うだろ。」
わかるだろ、って空気を満々に出されて仕方なく手を握る。
樹も甘えん坊だなぁと思っていたら、樹がアイマスクをあげて細目で俺を見た。
ジ「どうしたの?」
樹「え?ごめん、ま、マッサージをお願い、、」
ジ「、、AHA!マッサージか!何かと思った!」
樹「お前、俺が手握って?て言うわけないだろ!」
ジ「わかったわかった。揉みますよー。」
俺が手の平を揉み始めると、樹がまたアイマスクをしてリラックスする。
薄い左手にはゴツいリングがしてあって、マッサージをする俺の指に引っ掛かる。
樹はネイルに意味を込めているけど、リングにもあったりするのだろうか?唯一意味を知っているのは左手薬指なのに、使う機会がない。
、、、ん?
ジ「あー!!!」
樹「お前なぁ!!」
樹が飛び起きてアイマスクを外し投げる。
ジ「どうしよう!買ってなかったよ!」
樹「は?もう勘弁してよ、、」
ジ「買わなきゃ!」
樹「うるさい!好きにしろ!」
プイッと顔を背けてしまった樹だけど、俺はそれどころじゃなく隣でずっとソワソワしてしまっていた。
それから数日、まだ樹は俺と口を利いてくれない、、、。
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久遠(プロフ) - 通りすがりさん» いえいえ笑。ギャグっぽく書いたので愛情にツッコミたくなる感じは正しい解答反応だと思います。ブログに並々ならぬ思いとなんとも言えない圧を感じたのでこう描きました笑。感想ありがとうございます。 (2022年9月15日 11時) (レス) id: 5b543ff282 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり(プロフ) - 念の為。純粋な褒め言葉です。 (2022年9月15日 9時) (レス) id: 21cc78c764 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり(プロフ) - 久遠さま。ブログを書き始めて夜が明け、削る作業に1日かけた。 ……この1行の破壊力が凄過ぎて、愛重すぎて痛いわぁ(笑)って思いながら読んだ、前61行が全部飛びました。久しぶりに、“大喜利で“お題も破壊しちゃう級の“全てを超越した答え”を見た気がします。 (2022年9月15日 9時) (レス) @page25 id: 21cc78c764 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり(プロフ) - 久遠さま。個人的にはtr編気に入ってます。trかわいいっす。……リアルは逆転する事態になってしまいましたが……。引き続きマイペースで願います。 (2022年9月6日 23時) (レス) id: 21cc78c764 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - 通りすがりさん» ありがとうございます。まさか自分がきっかけになれてるなんて考えもしませんでした。好きだと伝えてくださる方がいることを大変嬉しく思っています。本当にゆっくりですが、書いていこうと思えました。ありがとうございます。 (2022年8月17日 2時) (レス) id: 5b543ff282 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久遠さん | 作成日時:2021年10月8日 0時