True ⅩⅩⅩⅩⅩⅩ (ページ48)

今日:48 hit、昨日:18 hit、合計:111,285 hit

48 ページ48

高地

高「樹。」

自宅のソファーに目を腕で覆いながら寝転がって考え事をしている樹に静かに声をかける。

田「これから忙しくなる。兄ちゃんも守れないかもしれない。」

高「そんなの良いよ。樹、おいで？」

両手を広げて立つと、樹はゆっくり起き上がってダムが決壊したように泣いて抱きついてきた。

会社の事、社員の生活の事、俺の事、沢山沢山考えてた。でも1番に来てしまうのはジェシーの事なんだ。

自分を守って育ててくれた人を失うことは焼き裂かれたように苦しい。

俺だって母さんにもっと素直に愛情表現出来ていれば良かった。って、どうして何もしてあげられなかったのだろう。って思ってる。

いまだに見つからない母さんを樹と一緒に探してる。

でも自分の父親の事だからって代わりに償おうとしてる樹が時々心配になる。

京本くんのもジェシーのも父親のも全部共に背負っていこうとしてる。

高「大丈夫。樹は悪くないよ。」

そんなの無理なんだ。壊れてしまう。

だから何度も抱き締めて頭を撫でる。

田「ヒクッ、、グスッ、、ゴホッゴホッ。」

高「一緒に頑張ろう。もう俺を守らなくていい。」

田「でも、」

高「良いから頼ってよ。俺兄貴だからさ？」

田「うぅ、、グスッ兄ちゃん！」

俺らならきっと、真っ直ぐ歩いていける。