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松村

松「お金取るよ。」

「そんなこと言わないでさぁ。」

ドカッとソファに座ってヒラヒラと手を振った俺の兄貴。
　
「みのりが大変そうでさ、俺も修行した方が良いと思って。」

松「あぁ、お腹大きいよね。」

みのりとは兄貴の奥さんで、現在妊娠中。兄貴はみのりさんを楽にするために家事を俺に学びに来たのだ。の割には態度がでかい。

「狂ったように同じの食べた後に普通に吐くからな。見ていて苦しくなる。あぁーー！って棒読みで叫びだしたりさ。」

松「結構大変なんだね。」

「うん、そう。でも言ってたよ。あなたが支えてくれるからこの程度で済んでるのよ。あなたが頑張るほど私も頑張れるわ。って。それで来た。」

手のひらで転がされている気がするが、父親として自覚が芽生えてきたらしい。

「一緒に頑張ってると奥さんへの気持ちが強まるよ。より一層子供も可愛い。文化祭とかと同じ理屈かな。」

松「それと同じにしていいもの？」

違うか。なんて笑いながらふと気づく。

そうか、父親だったんだ。

だとすればあの人だって同じように、、、。

可能性が無い話じゃない。もしそうなら、高地は、、、。

兄に断って急いで電話を掛ける。

松「森本、調べてほしい人がいる。」

森「大丈夫、もう調べてある。」