True ⅩⅩⅩⅩⅩⅩ (ページ30)

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樹「はい、お金。」

高「いいって。」

樹「バイト無くして会いに来てくれてるんだからその分払わないと。松村にバレるでしょ？」

それから俺と高地は週に1回、こっそりと会うようになった。

表向きの関係とここでの関係を互いに理解した上で。

樹「兄ちゃん！」

床に座る高地に抱きつくと勢い余って倒れる。

高「もうさぁ、樹の方が誕生日早いんだからね？」

樹「えー、俺弟がいい！！」

グリグリと胸に顔を擦り付けると痛い痛い！と高地が叫んだ。

樹「あ、、、痣になってる？」

高「、、気にすんな。」

樹「、、、ごめん。」

ふっ、と笑って大丈夫だから。と後頭部を優しく撫でてくれる。

この手つきや落ち着きが不思議とママに似ていた。

重ねてしまっていた。

田「兄ちゃん？」

高「どうした？」

田「俺を置いて居なくならないでね。」

高地は後頭部の手を耳辺りまでまわしてギュッと俺を抱き締めた。

高「樹が俺の味方のように、俺もお前の味方だよ。俺は嬉しいんだ。母親とも上手くいってた時期なんてないから、可愛い弟ができて。」

田「俺もだよ。兄ちゃんに気付けて良かった。」

少しずつだけど、俺らなりの兄弟や家族の形になっていた。