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京本

「あの、すみません。ファンなんです。」

京「あ、そうなんですか。ありがとうございます。」

町を歩いていたら自分のファンだというおじさんに声をかけられた。

「観に行きましたよ。ニューベート。京本さんの演技に引き込まれました。」

京「そう言って頂けて嬉しいです。」

握手を求められて手を差し出す。予想より強く握られて軽くたじろいだ。

「インタビューで出てくる神って、実はあの田中社長って本当ですか？」

京「え、、、？」

「いやー芸能関係の知り合いが私にそう教えてくれたことがあるんですよ。」

どいつだ、そんなことを広めてる奴は。

俺の樹(かみ)はお前らの描く神として話してるのに。

どうして人間だと、、、。

俺と樹にしか本当がわからない話なんだ。

誰だ。

京「その方は、、具体的にどんな？」

「えー、なんだったかなぁ。」

優しく聞いてやったのにタラタラと考える男に苛立ちが募る。呼吸を整えて笑顔でいると

松「すみません、そう言うのやめてもらっていいですか？」

突然現れた松村が握られていた俺たちの手を切った。おじさんは不思議な顔をして松村を見つめた。

松「男に興味ないんで。」

「えーっと、その、、、。」

京「ナンパじゃない。」

松「あぁ、そうなの？」