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京「～♪」

誰もいない体育館で１人歌を歌っていた。

音楽の才能がないと勉学に切り替えた両親は、勉強以外の事を認めてくれなかった。

高校生になった俺はミュージカルに魅力を感じていて、こうして真似事をこっそりしていた。

「凄い綺麗な歌声だね。」

京「あ、、田中君？」

そんな時に現れたのが樹だった。その時にはkingになっていて独りでフラフラとしていた。

樹が舞台に上がって腰かける。こっちこっち。と手招きされて隣に座った。

田「俺ずっと見ちゃった。」

京「ありがとう、、。」

田「演劇部？」

京「ううん、帰宅部。何も自由にやらせてもらえないんだ。自習してるって嘘ついてここにいるの。でもバレそう。」

別に何かを求めてた訳じゃなかった。褒められたのが嬉しくてつい話してしまった。

田「じゃあ姫になる？」

京「え？」

田「帰り遅くても俺の世話だって思うでしょ？姫って箔がつくって聞いたことあるし親も怒らないんじゃない？」

京「そんな、、、。」

田「俺、君の歌が聴きたい。もっともっと活躍してほしい。」

神様だと思った。

俺にチャンスを与えてくれた神様。

実際、樹のお陰で俺は初めて自分の好きなことが自由にできた。

この方を喜ばせたい。

側に居させて欲しい。

この方に尽くさなくては。

俺にとってそれほどの男だったんだ。