True ⅩⅩⅩⅩⅩⅩ (ページ11)

今日:9 hit、昨日:18 hit、合計:111,246 hit

11 ページ11

松村

松「ちょっと染みるよ。」

「うわ、それつけた方が痛い！！」

松「仕方ないだろ高地。」

口の端の傷に消毒液をつけると逃げるように痛みに悶える高地。

彼、高地優吾は俺の幼馴染みで同級生、同じ特待生かつルームメイトというたくさんの肩書きを持っている。
　
卒業するだけで人生勝ち組とも言われるこの高校にシングルマザーである高地の母親は何がなんでも入れたかったらしく、昔から俺が勉強を教えていた。

そして俺は彼を追いかけるようにして同じところを受けて見事合格。高校付近に奇跡的に存在した古いアパートで共に暮らしているのである。

松「それにしても田中は殺す。」

高「殺すなんて物騒。それにあの人に変わってから怪我少ないよ？」

松「そういう話じゃないだろ！？」

貧乏な特待生は目をつけられがちだ。特に高地は、ニコニコしてるから舐められやすい。

元々いじめの対象だったが、1年にして王になった田中にまで見つかり専用サンドバッグになった。

鈍ってしまったのか平気な顔をしているけど俺は毎日気が気ではない。

高「ほら、北斗も手当てするよー。」

北「あ"っ！マジ痛い！」

高「だから守らなくて良いって言ってるのに。」

北「見捨てられるか！」

高「はいはい、ありがとう。」