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「2つ結び、スゴイ似合ってる。髪も綺麗で触れたくなるくらい。ケアを怠らない姿勢も君も俺すっごく素敵に思うよ。」
額から感じる熱が弱まる。
これじゃない。
「君のオーナーがそういうの好きなのかな？俺もおしゃれは好きだよ。色々教えられるし、兄貴みたいな感じで頼ってくれたら嬉しいな。勉強も教えられるし、過去問だって渡せるよ？とりあえず俺と話してみない？」
手の平がジワジワと熱くなる。内側のエネルギーが増加して循環し始める気配がした。
そうか、恐らくこの子は、、
「慎太郎、2年か3年にこの子のオーナーがいるよ。アナウンスかけて。」
「わかった！」
慎太郎がカーテンの向こうにかけていく。
もう少し、声をかけてみよう。エネルギーの動きに集中して、この子のハートに届くように。目を閉じる。
「そっか、じゃあ今度話そう。君の誕生日にさ、お兄ちゃんがプレゼントをあげるよ。どんなのがいい？君がお願いしたら兄ちゃんたくさん買っちゃいそうだから、そこら辺は優しくしてね？ 」
体に力を入れて、流れているエネルギーが太く力強く光るイメージをする。操作ができる訳じゃない。ただそう念じながら声をかけると、力になれている気がした。
「ん、、」
「あっ！」
ドールの眉間に皺が寄る。瞼が揺れて目が覚めた。
「あれ、、私、」
「目が覚めたな、心配させんな。ここでゆっくりしてろ？」
カーテンを開けて佐久間先生を呼ぶ。猛スピードで走ってきて女の子の顔真ん前に顔を近づけた。
「大丈夫！？」
「はい、、」
目覚めて早々叫ばれて女の子は驚いて止まってしまっている。佐久間先生を剥がしてあげていると、「深雪！」と彼女はまた叫ばれてしまった。
入り口を見ると3年の女の先輩が顔面蒼白で立っていて深雪に近寄った。
「ごめんなさい、深雪！私、深雪のこと嫌いになったりしない！意地になりすぎちゃってごめんなさい。」
「ううん、私が悪いって知ってる。皐月がいつも譲ってくれるからって甘えてた。ごめんなさい。」
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作者名：久遠さん
| 作成日時：2024年1月21日 1時
