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雨の音でいつもより少しだけ早く目が覚めた朝。
雨の日はいくら髪の毛をしっかり整えたとしても湿気ですぐ駄目になるから憂鬱になる。
傘を持ち歩かなくちゃいけないところも面倒くさい。
なんてことを考えながら身支度を済ませていると結局いつもと同じような時間帯になり家を出る。
傘を差して歩き始めてから数分、
聞きなれた声が私を呼ぶ。
振り向くと真っ赤な傘を差したしげがいた。
「よっ！昨日ぶり〜！」
『あ、しげじゃん！今日は雨だから歩きなの？』
「そやねん。だっさいカッパ着てまで自転車乗ろうとは思わへんのよな〜、頑張れば歩ける距離やし？」
" それにこうやってAとも一緒に登校できるし？ " なんて冗談交じりに言ったあとに照れながらいつものように笑窪を作るしげ。
照れるなら態々そんな冗談言わなきゃいいのに(笑)
『なにそれ(笑)』
「ええやん･･･たまにはさー！(笑)それに丁度これ、渡そうと思っててん」
" ほい " と渡されたコンビニのビニール袋を傘を持っていないほうの手で受け取る。
『なにこれ･･･？』
中を覗くと昨日�霤沈萓犬貿磴辰討發蕕辰燭發里汎韻献汽ぅ澄爾�見えてドキッとする。
「昨日買ってんけどさー。俺お菓子食いすぎてそれ飲めへんかったからAにやるわ思て、」
" ちゃんと未開封やから安心して "
なんて、傘を差しているから顔が見えないままのしげが言う。
『････ありがとう。今日飲みもん持ってこんかったから助かる、学校で飲むね！』
そんなことを話しているとあっという間に学校が見えてくる。
しげは本当に自分が家で飲むために買ったの？
なんとなく本人には聞けなかった。
クラスが隣のしげとは別れて自分の席に座り、早速サイダーを飲もうと取り出してみると油性ペンで書かれた不器用な文字が目に入る。
" 推薦ファイト!! "
貰ったときは気が付かなかった。
胸がじんわり熱くなる。
それを掻き消すために一口飲んだサイダー
さっきの疑問が確信に変わる。
喉を通る炭酸の刺激と、
しげからの温かいメッセージが、
雨の憂鬱をいつの間にか吹き飛ばしてくれていた。
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作成日時：2020年9月26日 23時
