バブルリング〔紫〕 (ページ43)

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その思いも虚しく、最終コマに指導した子の報告書や次回までの作問が終わらないまま閉校時間を迎えてしまった。

小瀧先生に一声かけると、 " 俺も終わらへんかったから残るー " と言ってパソコンに向かっていた。

指導前に小瀧先生が声掛けしていただけあって、他の先生たちはみんな仕事を終わらせて帰ってしまっていた。

ようやく仕事が片付いて小瀧先輩の方を見ると、とっくに終わっていたのか帰る支度も済んでスマホを触っていた。

『すみません！言ってくれたら鍵は私が締めたのに･･･！！』

「あぁ、全然急がへんからええよ」

本当は早く帰りたかったくせに、そんな素振りも見せず微笑んで立ち上がる。

「さー、帰ろ帰ろ！明日もバイト、明後日もバイトやー」

『私、明日は休みです』

「は！？ずっるー！」

小瀧先輩と帰るときはそんなくだらない話をしながら当たり前のように必ず私を家の前まで送ってくれる。

「じゃあ、またー、、明後日？」

『ですね。いつも送ってくれてありがとうございます』

「帰り道やから別にええねん(笑)」

人差し指で鼻先を掻いて、 " じゃ " と手を上げて帰っていく小瀧先輩の背中を見送ってから私も家の中に入った。

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