バブルリング〔紫〕 (ページ31)

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「塾のバイトのこと、考えてくれた？まだ入学したばっかで色々慣れるまで全然急かすつもりは無いねんけどさー」

先輩がアイスティーをストローで混ぜるカラカラという心地良い氷の音が耳に残る。

あれから家で色々と考えてみてはいた。

でもまだ何処かで不安と自信のなさが自分を縛り付けて答えを出せずにいる。

やっぱりコンビニとか居酒屋とかのほうがいいんじゃないかと思ったり。

何も返さない私に小瀧先輩はアイスティーを一口飲んで言う。

「濵田先生も言うてたで」

思いがけない人の名前につい反応して"えっ"と声が漏れる。

「あとー、塾長も。あの子は絶対に仲間にさせるとか酔ったとき言うてたし、桐山先生もぜひ入ってほしいなー言うてたで、」

『濵田先生って帰ってこられたんですか？』

つい気になって聞いてしまう。

「いや、まだ帰ってきてはないよ。」

「前に塾のみんなで飲み行ったときにな、そういう話になってん。」

「結構うちの塾って卒業生が先生として働いてるパターン多いらしくて。Aちゃん来てほしいなあってみんなで言うててん」

私が居ないところでも名前が出ていたことに驚く。

と同時に、先輩たちが歓迎してくれていることに心を惹かれた。

「ちなみに夏休み明け頃帰れそうとは言ってたで、濵田先生」

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