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「センターの自己採点、あんま良くなかってん俺、」
真っ直ぐに前を見つめたまましげは話し続ける。
「二次で取り返さな厳しいねん、」
「けどな、最近自信なくなって来てもうてん。」
「センターはまあまあ自信あったからさぁ、余計に？俺の実力ってこんなもんやったんかって･･･数字で可視化されてさぁ、」
「そもそもこんな奴が医療系に就きたいなんてお門違いなんちゃうかって････運良く就職できたとしても使い物にならんのんちゃうかって、考えるねん」
「せやったら今のうちから夢見直しといたほうがええんちゃうやろか思ったりして、」
「････結局考えれば考えるほど訳分からんくなってもうたわあ、」
そう言い終えたしげの頬から笑窪は消えていた。
私と違ってしっかり夢を持って将来のことを考えているしげ。
何て声を掛けてあげるのが正解かわからなかった。
でも少なからず私はしげの努力を知っている。
『でも、知ってるよ。』
『周りは塾に通ったりしてるけど、しげは遅くまで学校に残って自習してたり、自習ノートが文字でびっしりになるくらい授業の内容をまとめなおしたりしてること、私知ってる。』
しげは少し驚いたようにこっちを見た。
私は言葉が途切れてしまわないように、敢えて目を合わさないまま必死で口を動かす。
『だから、、だから、まだ二次始まってもないのにそんな弱気になっちゃだめ！しげの努力は他の人に劣らない！そこは自信持って！私が、保証する･･･！』
一通り喋り終わったあとに自分でも少し恥ずかしくなって口を瞑る。
「ふふ、せやんなー。もう願書も出してもうてるんやし、今更弱気になったってあかんよな。」
「それに、、Aに熱い言葉掛けてもらったからには頑張るしかないよなー！」
しげは何か吹っ切れたかのように笑っていた。
そんなしげを後ろから綺麗な夕陽が照らしていた。
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作成日時：2020年9月26日 23時
