バブルリング〔紫〕 (ページ13)

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「んで････どうでした？」

並んで歩き出すと恐る恐る聞いてきたしげに少し意地悪したくなって、俯いて黙ってみた。

「あー･････まあ、さ！推薦ってまだ入試の始まりやん？Aなら筆記試験で余裕やって！これで人生終わりって訳でもないんやし･･･！」

焦ったのか必死に言葉を繕うしげ。

『いや･･････････、

無事合格しましたー！』

ピースして見せると " は？ " と少し怒った表情をするから段々と怖くなって一応ごめんと謝る。

" はぁぁぁぁぁー " としげは大きく息を吐いてその場にしゃがみこんでしまった。

「ほんっまなあ･･･！心配したわ！絶対受かってるって思ってたから落ちてたときの声かけなんて考えてなかったわ！あほ！」

『ごめんて･･･(笑)』

どうやら怒ってはいない様子で少しほっとした。

そしてふと思った。

こんなに私のことを気にかけてくれるしげの志望校のことを私は知らない。

『しげは？推薦じゃなかったよね？どこ受けるの？』

「俺？俺はー、、」

自分の話になると言い渋るしげになんだかモヤモヤする。

「俺なー、県外に行こうと思って。」

予想外の言葉だった。

私が受けた大学は高校からも近いし同じ高校から受ける人もダントツで多いから、しげも同じ大学を受けるものだと心のどこかで思いこんでいたのかもしれない。

「医療関係の仕事に就きたいなー思て････格好ええやろ？(笑)」

「狙ってんのは国立大やねんけど」

「めっちゃ勉強せな受からんわー(笑)」

俯きながらもいつも通り笑窪を作りながら話してくれるしげに、さっきまで抑えきれていたはずの涙が簡単に零れた。

「･･･なんで泣いてんねん(笑)」

『だって、、』

「隣の県やからすぐ会えるって･･･！しかもまだ受かった訳ちゃうし(笑)」

いつも陰ながら支えてくれていたしげにどこかで甘えてた。

私と違って、しっかりと夢を持っているしげに同じ大学を受けてほしいなんて我儘は言えなかった。

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