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夕食後、片付けも終わって手が空いている今僕はグルッペンと総統室に居た。
『はい。グルッペン、紅茶。』
gr「ありがとう兄さん。そうだ、あの部屋は気に入って貰えましたか？」
『うん、お母様の部屋と全く同じでついトントンの前で泣いちゃった。もう二度と見る事は出来ないって思ってたから、本当にありがとう』
僕が何気なくそう言うとグルッペンは紅茶を飲む手を止めて僕の方を向いて怪訝そうな顔をして言った。
gr「二度と見る事は出来ない、とはつまり…」
『そう僕達の城はあの時燃やされた後跡形も無く壊されてた。間違い無いよ。この目で見てきたもの』
目を伏せながらも言う。
グルッペンはこの事実に起こる事も悲しんで泣くとこもせず、ただ一瞬苦虫を噛み潰したような顔を浮かべるとすぐに元に戻り「そうですか」と言った。
部屋の中には沈黙が広がって行く。
無理も無いよ。思い出の場所がもう無いんだもの。
どうにか話題を明るい物に変えようとこの国に来た時疑問に思った事を聞いてみる。
『そう言えば、此処の国民ってグルッペンの事を総統としか言わないけど名前は教えないの？』
グルッペンは話が急に変わった意図を理解してくれたのか話に乗ってくれた。
gr「ええ、一応フューラー家の人間が生きてるともう一度狙われかけないと仲間に言われましてね。外交等で名前が必要な時はあの名前を使ってますよ」
こっちを向いて笑いながら言ったので次に来る言葉を予想して言ってみる。
『「アラン・スミシー」』
『フフフッ懐かしいね、二人で作った架空の人物。あの時はよくはしゃいでたね』
gr「ハハハッ兄さんは、はしゃぐと言うよりキッチンに忍び込んではお父様にバレない様コックとハラハラしながらお菓子を作ってたでは無いですか」
『あった、あった。シュトロイゼルクーヘンもあの時から作り始めたよね。』
gr「ええ、時より3時のおやつでお母様と一緒に食べましたね」
一人だった頃は絶対語る事の出来なかった懐かしい思い出話に花を咲かせていると12時の鐘が鳴って、紅茶の入っていたティーカップは空になってた。
『もう寝ないと！明日はトントンの朝食の手伝いがあるんだった。おやすみグルッペン。ごめんねゆっぐるはまた明日渡すから！』
gr「おやすみなさい兄さん」
10年ぶりのおやすみの挨拶をして、慌てて部屋に戻ってベッドに入る。初めて使う部屋の筈なのに不思議と違和感が無く直ぐに意識が沈んでいった。
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月歩 - くずをさん» はい！zmのパーカーはどうしても兄弟達と関係を持たせたかったので登場させちゃいましたw (2020年1月11日 22時) (
レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - たうさん» コメントありがとうございます！今後も進行速度は亀ですが頑張るので応援お願いします！ (2020年1月11日 22時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
くずを - 近づいたら爆破って…クリーパーじゃないですかやだー！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
たう - ん？神ですか？更新待ってます！頑張ってください！ (2020年1月11日 18時) (レス) id: ada02683d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月歩 | 作成日時：2020年1月7日 21時
