38 ページ39
kr「う〜ん、体格はやっぱり個人差が有るけど声も髪の癖も同じっと。後はDNAと指紋なんだけど…」
そう一人でぶつぶつ言いながらくられ先生は白衣に入れていた大きめの手帳に何かを書き込んでいた。
『えっと、くられ先生…？これは何をしてるんですか？』
kr「ん？あぁ、A君の体調確認兼研究の為の観察。一卵性双生児なんてそうそうお目に掛かれないからね。
それと質問なんだけど目の色って生まれつき？カラコン？左の目はどうなってるの？」
手帳に書き込みながらも僕の方を見て、科学者の性なのか僕に迫ってくる勢いで質問をしてくるくられ先生。
勿論、研究には協力したいけど流石に自分からこの目の事を言うのは気が引けてグルッペンと話した時同様、悩んだけれど科学者なら治すことができるかもしれないと思い言ってみる。
『目の事なんだけど、これは生まれつきでもカラコンでもなくて、昔いた場所で実験の一環だって言われるままにしてたらこうなっちゃった。左目も同じ様な理由だよ』
グルッペンの時と同じ様に笑顔を繕って誤魔化そうとしたけど、くられ先生の手は止まって顔は固まっていて、けどそれと反対に僕の心臓は煩い程動いていた。
そしてくられ先生は手帳を畳むと僕の顔をまっすぐに見た。
kr「ごめん。嫌な事を言わせたね。それとA君は僕が科学者だからその目を治せるって思ってるかもしれないけど、今の科学では…」
『良いんだよ。僕もそんなに本気で思っては無かったから』
嘘だ。本当はくられ先生なら、同じ科学者なら治せるって思ってた癖に。良い加減諦めろよ。
そんな声が聞こえてくるけど気にせずに、微笑みを崩さないよう堪えながらくられ先生を見る。
kr「科学はすべてを解決する、なんてよく言えたものだよ。縫合の部分は綺麗に整形出来るんだけどね」
『くられ先生が自分を責める事は無いよ。それに左目は髪で隠せるから』
kr「でもそれだけじゃ、頼りないだろうし。そうだ、確かこの辺に…」
するとくられ先生は白衣を広げて何かを探し始めた。
何を出そうとしてるんだろ。それに何で白衣の中にルーペならまだしもガスマスクとか何かが入ってる試験管とか入ってるの？
kr「あったあった。テッテレ〜眼帯〜」
『が、眼帯？』
kr「まぁ確かに髪で隠すのも良いけど衛生面とか考慮すると着けてた方が良いよ。それにA君子供に泣かれてるでしょ？」
『何故にバレたし…』
kr「うーん科学者の勘かな！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 360人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月歩 - くずをさん» はい！zmのパーカーはどうしても兄弟達と関係を持たせたかったので登場させちゃいましたw (2020年1月11日 22時) (
レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - たうさん» コメントありがとうございます！今後も進行速度は亀ですが頑張るので応援お願いします！ (2020年1月11日 22時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
くずを - 近づいたら爆破って…クリーパーじゃないですかやだー！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
たう - ん？神ですか？更新待ってます！頑張ってください！ (2020年1月11日 18時) (レス) id: ada02683d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月歩 | 作成日時：2020年1月7日 21時
