#55 HSside ページ5
HSside
あの日から半年程がたった今
俺ら6人はAが恋しい気持ちもあるけど、前を向き始めてる
たまに寂しそうな表情をするメンバーもいるけど
それは俺も
でも、1番ひどいのは、ユンギヒョン
常に上の空で、ダンスもよく間違えるようになった
作曲も上手くいってないっぽい
日に日に暗くなるヒョン
日に日に目線が落ちていく
あの、威厳のあるヒョンじゃなくて
今にも壊れそうな
それほどAへの気持ちが強かったって思い知らされる
......見てらんないよ
NM「ホバ？どこいくの？」
HS「ちょっと飲み物買ってくるわ」
部屋を出ようとした俺に声をかけたナムジュンにそう答えて
部屋を出た
誰もいない所に来て、携帯を手に取る
HS「......出てよ」
耳元で何度もなるコール音
ただ延々と無機質な音が聞こえる
HS「......はぁ......っ！もしもし！？」
諦めようとした時
コール音が切れた
《......もしもし》
聞こえる綺麗な声
HS「......久しぶり、A」
《...ホソクさん？、お久しぶりです。......どうされましたか》
電話越しでも分かる
HS「元気にしてた？」
《...はい》
HS「てか、もしかして、連絡先消してたりする？」
《......すいません》
やっぱり笑
俺の声聞いてから気づいたっぽかったもん
Aなりに忘れようとか
思ってたんだろう
相変わらず笑
HS「それはいいんだけどさ。A今どこにいるの？」
《......日本、です》
HS「......ん？」
耳を疑った
予想もしてなかったそんな答え
《日本の、前の事務所に戻りました》
HS「...えぇ、会いに行けないじゃん」
《ははっ...韓国に居ても場所なんて教えないですよ...私が勝手に......離れたのに》
後半になるにつれて小さくなる声
こんな声聞いてほっとけるわけないじゃん
HS「...ねえ、なんで急に居なくなっちゃったの？」
《......言えないです》
変なとこで頑固なAは健在みたい
HS「...もしかして、ユンギヒョンが、関係してる、とか？」
《...っ違います》
声色が変わった
HS「A、俺らに迷惑かけないようにとか思って離れてっちゃった？」
《......》
HS「ユンギヒョンのことが好きだから、自分のせいで迷惑かけちゃうかもって？」
《...っ、仕方ない、じゃないですか。そうするしかっ......》
図星か......
誰にも相談せずに、自分一人で決めたんだろうな
ほんとにバカ
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作者名：そん | 作成日時：2020年5月9日 21時
