＊--2 ページ31
.
それから何度果てたか分からないけれど、散々愛し合って。終わってもユンギはわたしを抱きしめたまま離してくれなかった。
「ユンギ…」
「悪い、久しぶりに乱暴だったな」
わたしの首元に顔を埋めたまま話すから声が篭っていて、掠れた声がまた色っぽくて。終わったばっかりだったのに反応してしまう。
「大丈夫、だよ…あの、わたしこそごめんね」
「なにが」
「シュガって呼んで」
そう言えばユンギは伏せていた顔を上げてわたしをじっと見る。
ちゃんと付き合うようになってから、ユンギはわたしがシュガって呼ぶのを嫌がる。行為中に呼べば、少し乱暴になって。普段そう呼べば、返事をしてくれない。
「なに、自覚してんの？
それでわざと呼んでるわけ？」
「違うよ。無意識だったの。
ずっとそう呼んでたから」
「もう呼ぶ必要ないからいいだろ。呼ぶな」
「そんなに嫌？ギャップでぐっとくるんでしょ？」
「いつの話してんだよ」
嫌そうな顔してユンギはわたしの身体を触る。もう疲れ果てて、これ以上できないのでそれは困る。ぐったりしている腕をなんとか持ち上げてユンギの手を掴む。
「もう、だめだよ」
「じゃあそんなこと言うな」
「なんでそんなに嫌なの？」
「…たまにどうしようもなく嫌になることがあって。シュガとしていることに疲れてるのに、よりにもよってお前にそう呼ばれると参る」
小さな声で教えてくれる話は予想していたものだった。最近はこうやって心の闇を教えてくれるようになった。
身体だけの関係だった時もそういうのは感じてた。同じ芸能界に身を置いているから、その気持ちはよく分かる。だからユンギの乱暴な行為だって受け入れられたし、すがるように抱きしめてきたらより愛しさが増した。
それを今は言葉にして伝えてくれるから、それが嬉しくてしかたない。
付き合うようになっても、お互い忙しい身だから会える時間は少なくて。こうやって会っても、会えなかった日々を埋めるようにお互いを求め合うばかりだ。
やっていることは前と変わらないのに、想いが通じあってるのとないのでは全く気持ちが異なって。例えそれだけの行為で終わってしまってもわたしは十分だった。
「ちゃんとユンギって言うから」
「もう無理してシュガって言う必要がお前はないんだから。好きなだけユンギって呼べ」
その言葉が嬉しくて、ぎゅーって抱きつけばユンギは楽しそうに笑う。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1052人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍(プロフ) - ピカチュウさん» ありがとうございます！ (2018年9月25日 21時) (
レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
ピカチュウ(プロフ) - ハッピーエンドで良かったです (2018年9月23日 19時) (レス) id: ef8197772f (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - mimiさん» ご指摘ありがとうございます。文章力がなく、読み辛いところがあって申し訳ないです。改善できるよう努力いたします。続編も機会があれば書きたいと思います！ (2018年9月22日 21時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - うらんさん» ありがとうございます！嬉しいです。ヒロインちゃんのがユンギさん大好き過ぎるのでデレさせられるか分からないですが、機会があればぜひ書かせて頂きたいと思います。 (2018年9月22日 21時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - ゆなさん» こちらこそ最後までありがとうございました！ (2018年9月22日 21時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍
| 作成日時：2018年9月11日 18時
