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#14 ページ14

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「ピアノ、弾きたいですか?」

「あー…流石にこんな時間には弾かない」

「ふふふ、でも指は弾きたそうですよ」


そう言われてはじめて気付いた。自分の指が動いていたことに。


「ユンギさん、ピアノ弾けるんですね」

「あぁ。Aに会えない間の撮影の時、セットにピアノがあって。Aの弾く曲を思い出しながら弾いたんだ」

「わたしの曲を?」

「そう。耳から離れなくて。何度も聴いたら脳が覚えてたみたい」

「すごいですね。それだけで弾けるなんて」

「Aも楽譜は見たことないんだろ?」

「ないですけど、教えてもらったこともあるので。自力で弾けるようになったわけではないんです」

「そんな謙遜しなくてもいいのに」

「そんなことないですよ。純粋にユンギさんがすごいなって思ったんです」


キャーキャー言われ慣れてるはずなのに、こんなストレートな褒め言葉に照れるなんて。真っ直ぐなAの言葉に何も言えなくて誤魔化すようにマグに口をつけた。


「やっぱりユンギさんは音楽関係の仕事ですか?ピアニスト…ではなそうですけど」

「またその話か。ピアノはこの仕事する前から弾いてた。音楽が趣味なのはホント」

「そうなんですね。じゃあ次は昼間に来てください。わたしじゃなくてユンギさんのピアノが聴きたいです」


本当のことを言わない俺に残念な様子をするが、それでも純粋に俺がピアノを弾くのを聴きたそうな姿に俺も嬉しくなって即答する。


「何を弾こうかな」

「芸能人じゃないユンギさんは教えてくれるんですね」

「芸能人の俺のことを知ってる人は多いからな」

「…ただのユンギさんでいたいってことですか?」

「お前は本当に……」


何でそう俺の気持ちがすぐに分かるかね。別に知ってほしいわけではなかったけど、Aが気付いたなら隠す必要はない。


「そう。Aの前では、ただのユンギでいたいの」

「じゃあもっともっとユンギさんのこと教えてください」


そう言ってまたいつものふんわりとした笑顔を見せてくれた。俺もAのその笑顔以外の顔を見たいと思う。


「あーあ、もっとここに居たい」


ジンジャーミルクも飲み終わってしまって、溜息をついて机に顔を伏せる。ぽつりと呟けば、くすくすとAが笑っている声が聞こえてきた。


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涼音1006(プロフ) - 藍さまのお話を読むと、しっとりした空気を感じたり、優しいメロディーが聞こえてくるようでとても心地良いです。1日の終わりにベッドの上でゆっくりと読み返すのが楽しみです。これからも応援しております!お身体にきをつけて下さい(*^^*) (2021年6月3日 20時) (レス) id: 12686616a5 (このIDを非表示/違反報告)
涼音1006(プロフ) - 藍さまはじめまして!「キミと奏でる〜」のキラピュアなユンギ氏と(←言い方)、「ひと夏〜」のチャラ甘で砂糖増量(←言い方!)なユンギ氏が最高すぎて、ここ数日で一気読みさせて頂きました♪続→→ (2021年6月3日 20時) (レス) id: 12686616a5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 天然記念物さん» こちらこそ素敵なコメントありがとうございます。1番だなんて、そんな恐れ多いお言葉!嬉しい限りです。次回もキュンキュンできるような作品をお届けできるよう頑張ります。 (2018年8月20日 23時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
天然記念物(プロフ) - とても面白かったです。今まで読んだ中で私的に1番キュンキュンしました!素敵な作品をありがとうございました。次回の作品も楽しみにしてます。 (2018年8月20日 22時) (レス) id: 70eef4ddd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月12日 12時

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