絡み付いて離れない【鬼滅の刃】 (ページ3)

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壱ページ3

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＿＿鬼殺隊本部

竈門炭治郎は下弦の伍である鬼の累と対峙後、
妹の禰豆子を巡り裁判にかけられていた。

不死川を始め柱の殆どが妹の存在を認めんとする中、
彼らの当主である産屋敷は説得力のある仮定や証拠を述べた。

「それに、鬼殺隊(うち)には例外がいる」

「「！」」

産屋敷がそう言った途端、柱の空気が変わったことに炭治郎は気付いた。
今まで特に反対していた不死川と伊黒までもが押し黙る中、胡蝶が「確かにあの子は…」と呟く。

「(…あの子？例外？、どういうことだ、？)」

炭治郎が困惑していると不死川は「…それでもわかりません御館様！」と叫び突如自身の日輪刀を持ち出し始めた。
そのまま自身の鍛え抜かれた腕に刃で傷付けると、庭の小石にぼたぼたと鮮血が溢れた。

「確かに彼奴は例外です！しかし、此奴が彼奴と同じ例外とは限らない！！俺が今から証明してみせますよ！！！」

○

禰豆子の勇姿により存在が無事黙認され、派手な退場をした炭治郎が去った後、
柱と産屋敷で柱合会議が始まった。

「そういえば彼奴は何処行ったんだ？」

「確かに姿を見ませんね」

その場に揃った柱は9人のみ。
皆が10人目の存在を探す中、産屋敷は優しく微笑みながら「彼女はね」と言葉を続けた。

「少し遠方に任務へ向かわせたんだ、もう時期帰ってくる筈だよ。」

「そうなのですか！」

煉獄がそう返事した時、薄暗い部屋を照らす雪洞の灯りが微かに揺れ、その直後瞬きする間もなくその空間に異質な存在が現れた。

腰まである絹のような白い髪を揺らし、隊服の裾を擦る音が部屋に響く。
産屋敷の前に行儀良く座るのは10人目の柱であるAだった。

「東北奥羽山脈付近の鬼狩りは終わりました」

「うん。ご苦労様、遠くまですまないねA」

「いえ」

落ち着いた口調で話すAは一礼すると、後に下がり他の柱と同線に座った。
その様子を見た産屋敷は微笑みを含んだ表情で、自分の目の前に座る彼らをゆっくりと見渡した。

「これで皆揃ったね。」