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貴方「んーっ、!ンー…っ!」





「大人しくしててよ、もう少しで僕達の家に帰れるから…」





生暖かい吐息が首にかかって気持ち悪い。
やっぱりあの男だった。
ステージが終わってすぐに警備員の格好をしてここまで来たんだ…
彼の執念深さに用心しなかった自分を酷く恨んだ。





男は私の口を抑えたまま、何処かに電話をかけ始めた。





「俺だ。すぐ裏に車回せ」





すぐに電話を切ると向き合わせるように私の身体を反転させた。





初めてこんなに近くで見る男の顔。
その顔はやっぱりあの時と同じ顔で。





「あぁ嬉しいなぁ、こんな近くでAちゃんを感じられるなんて。」





貴方「…離して、ください」





「なんでそんなこと言うの?敬語はやめようよ、僕達同い年だよ?」





貴方「なんでこんなことっ、犯罪ですよ!」





「はんざい…?どうして?笑
僕達愛し合ってるのに」





貴方「は、、?」





「Aちゃんはいつも僕に愛してるって言ってくれるでしょ?僕がいるから生きていけるって、言ってくれたじゃん」





貴方「…それは、」





それは、私が活動休止から復帰した後のブイラで言った言葉。





ファンのみんなに向けて、みんなのおかげでまた帰ってこれたってことを間違えて解釈したのか…






貴方「…私はファンのみんなが大好きです。」





「ファンのみんな?大好きなのは僕でしょ?
僕のコメントも沢山読んでくれてるし、もうずっっと抱きしめたかったんだよっ」





貴方「…貴方みたいなマナーのない人は嫌いです」





「………きらい?
…僕のこと、嫌いって言った?」





ダンッ!と、次の瞬間には身体を壁に叩きつけられていた。











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作者名:二の腕 x他1人 | 作成日時:2022年6月8日 17時

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