3 3 円になります 。 ページ33
*
さ 、最悪 。
反射的に顔を上げてしまった 。
見られた 。
泣いてるとこ 、見られた 。
彼の瞳が大きく見開かれる 。
…… うん 、驚くのも無理ないよね 。
慌てて顔を隠そうとしたとき 、
テヒョンくんが私の前に座り込んで
いたずらっぽく笑った 。
「 そんなに 、
俺に見つかったのが やだった ? 」
いつもより 、やや低めの
だけどどこか 、優しげな声 。
スッと彼の手が私の顔に伸びたかと思えば 、
指の腹でゆっくりと涙を拭われる 。
多分 、ぼんやりとだけど
気づいてるんだと思う 。
私がジン先輩のことで
泣いてるってことに 。彼は 。
「 そうだよ 、私 負けず嫌いだし 。
思ったより早く見つかっちゃって
悔しいから泣いてる 。」
「 ふふん 、でも
もう 見つけちゃったもんね 。」
そう言って彼が笑ったとき 、
「 おに ー ちゃん どこ ー !!
おね ー ちゃんは見つけたの ー ? 」
って男の子の声が 。
「 もう 、私以外は
見つけてたんだね 、テヒョンくん 。」
「 ん 、俺 探すの得意だもん 。」
ゴミ箱を覗いていたくせに
何が得意なのか …
コソッと小さな声でテヒョンくんが囁く 。
「 隠れていよっか 、俺達 !
Aちゃんが … 泣き終わるまで 。」
「 別に 、もう泣いてないし … 」
何て言いながらも 、
まだ涙が目から落ちてくる 。
「 テヒョンくんにさ 、
いいこと … 教えてあげよっか 。」
そこらへんに転がっていた石で
手遊びをし始めた彼にポツリと呟く 。
「 ん 、な ー に ? 」
「 私 、失恋したよ 。
ジン先輩には彼女がいた 。
ね 、嬉しいでしょ 。」
そう 、だって
自分の好きな人が失恋したんだよ 。
私だったら喜ぶ 。
自分にチャンスが回ってきたって思う 。
それなのに 、テヒョンくんは 。
「 Aちゃんのそんな顔見て 、
嬉しいなんて 、俺 全然 思えない 。」
静かに目を伏せてそう言うんだよ 。
*
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ARMY - この作品とても気に入りました!テテペンなんですけど、性格とか仕草とか…本当に細かい所まで書かれているなぁと思いました! (2018年1月2日 23時) (レス) id: 97013c3863 (このIDを非表示/違反報告)
ちんぐ(プロフ) - これ本当に大好きです!ミセナイナミダも、お隣さんも大好きです! (2017年4月26日 18時) (レス) id: c07ed66232 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゅぎゅ(プロフ) - はじめまして!『120円になります。』楽しく読ませていただきました!ジンオッパに対抗してピーチティー5本も買おうとするテテに吹いてしまいました(笑)もう可愛すぎて癒されます!こんな素敵なお話を書いて下さってありがとうございます! (2016年2月10日 13時) (レス) id: 2af65105ad (このIDを非表示/違反報告)
bts LOVE - すごすぎです!読みながら顔ニヤニヤしてしまいました… (2015年12月24日 18時) (レス) id: e7d74f9050 (このIDを非表示/違反報告)
遥音 - 凄いですね! テテをこんなに忠実に描けるなんて……<(_ _)>テテのタイプの子ってこんな感じなのかな〜? 頑張ってください! (2015年9月29日 19時) (レス) id: f0fa5b748f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*ちょあ* | 作成日時:2015年6月6日 19時