1 2 0 円 に な り ま す 。

0 3 円になります 。 ページ3

*






ん ？





おい 。





いつもなら 、にこにこしながら

私の手に ちゃりんっと

120円ぴったり渡してくるのに 。








「 …… あの 、お客様 。

120円になります 、けど 。」









待てど 、一向にお金は払われなくて 、

しかも財布を出す気配もなく 、

ただ 、じ ー っと見つめられる 。









まさか 、払う気ないの ？



こいつ 。









もう一度 催促しようと思い

口を開きかけると

先に彼の方が言葉を発した 。









「 オレンジジュ ー スと 、

店員さん ください ！！ 」









……… は ？






瞬き 、数回 。





今 、このイケメン 何て言った 。



…… 何て言った ？









「 くださいって何を ？ 」









そう問いかけると 、ふふんっと笑って

私を指差す彼 。









「 て 、ん 、い 、ん 、さ 、 ん ！」









……… 店員さん 。





は ？


はぁぁぁぁぁぁ ！？







店員さんくださいって何 。









待って待って

バイトをし始めて 、一ヶ月 。









こんなこと言われたことないから

マジでどう対応すれば

全然 分かんないんだけど 。









とりあえず 、無言で

私 ？と聞くように自分を指差すと

目の前の彼は嬉しそうに頷く 。









いやいやいやいや 、

訳分かんないし ！！










「 あの 、私 、

売り物じゃないんですけど 。」






とりあえず 、そう言ってみると

不思議そうに首を傾げる彼 。









「 え 、分かんない ？

…… 俺の言ってること 。」









分かんね ー よ 。怒




逆に分かるやつ 、出てこい 。









*

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