1 2 0 円 に な り ま す 。

1 3 円になります 。 ページ13

*







「 あ 。」





うわ 、最悪 。









「 Aちゃん ！！ 」







今日はバイトが休みで 、

完全にオフ状態だった私 。







学校帰りの道は必ず 、

コンビニの前を通る 。







うん 、だから

学校と家の中間地点にある

ここをバイト先に選んだんだよね 。









そして 、出くわしてしまった 。






丁度 、コンビニから

出てきたところだった 、やつと 。








「 今日 、Aちゃん休みだったんだ ？

来てガッカリしたけど 、

会えて良かった ！ ラッキ ー だね 、俺 ！ 」








私はアンラッキ ー だよ 。




心の中でボソッと呟いてみる 。









「 Aちゃん 、シンプルだね ！

俺 、すげ ー 好み ！ いぇ ー い ！ 」








どうやら 、私の格好のことを言っているらしい 。






今日はちなみにロンTとスキニ ー 。








「 俺の好みに合わせてくれたの ？ 」







…… んなわけ 。


だいたい 、あんたの好みなんか

知らないっての 。




関わり合いになるの面倒 。


こういうのは適当にあしらうのが一番 。








「 あ ー はいはい 。

… って 、何でついてくるんですか 。」







「 だって 、俺もこっちだも ー ん 。」







そう笑いかけてくると 、

私の横に並んで歩き始める 。








ちらっ 、と彼の横顔を見ていると

にこにこと満面の笑みで 。









自惚れ … だと思うけど 、

本当に私と一緒にいることが

嬉しくてたまらない 、









そんな風に見え … ないこともない 。









「 あの 、」









「 ん ？ なになに ？ 」







話しかけた途端 、

キラキラと輝く綺麗な瞳が

瞬時に向けられて慌てて目を逸らす 。








なんか 、彼の瞳を見るの苦手かも 。







…… 吸い込まれそうで 、怖い 。









*

1 4 円になります 。→←1 2 円になります 。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す