1 2 0 円 に な り ま す 。

0 5 円になります 。 ページ5

*








「 え ー 、何で ー … 」







何で ー … じゃね ー よ 。








この状況で 、




はい ！ 分かりました ！

付き合いましょう ！



なんて答えるわけないじゃん ？









てか 。







「 あの 、後ろ 。」





彼の後ろを指差すと



へ ？ と首を傾げながら



私の指の先を追うように振り返る 。









状況が分かったか 、イケメンよ 。









こんな変なやりとりをしている間に

彼の後ろに客が並び始めていたのだ 。









「 あぁ ー 、ごめんなさ ー い ！ 」







ひひっと自分の後ろの客に笑顔を向けながら


ようやく財布を取り出して 。








私の手の平に彼の手がスッと伸びると 、

ちゃりん 、120円が置かれた 。








あぁ …

やっと 120円が私 … (レジ) の元に 。






たった 、オレンジジュース一本の売買に

何分 かかってんだよ 。









「 ど ー も 、ありがとうございま ー す 。

次のお客様 こちらどうぞ 。」









形だけのありがとうございますを言って

後ろの客にすぐに視線を向ける 。









「 ねぇ 、店員さん ！！ 」








次の客を相手し始めたというのに

話しかけてくるんだけど 。



…… くそ 迷惑なんだけど 。









「 536円になります 。」






無視 。








「 ねぇ 、ってば 。」






無視 。








「 はい 、20円のお返しです 。」









「 俺 、絶対に 、ぜ ー ったいに

店員さんのこと諦めないから ！！ 」









やめろ 。






客の相手をしながら

横目でギロッと睨むと 、

やっと俺のこと見てくれた ！ って

嬉しそうにするから すぐに視線を逸らす 。








……… あ ー 、

厄介な客と関わりを持ってしまった 。









*

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