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けれどAはそうじゃなくて。寂しい寂しいと事あるごとに口にしていた。それでも家族といるのだから、大丈夫だろうと気にしていなかった。しかしそうではなかった。
「Aから直接聞いたわけではなく両親の話だが、相当無理はしてたみたいだ。高校に通いながらがむしゃらにファッションの勉強をして、ソウルに出てくるために金を溜めなきゃとアルバイトを詰め込んでいた。そして心身ともに参り倒れて入院した」
「Aなら頑張りすぎちゃうのはあり得なくはないけど…でも、それだけ追い詰められてたのはヒョンと離れたくなかったからってこと？」
テヒョンの疑問に俺は黙る。直接聞いたわけじゃない。でもAの気持ちが分からないわけではない。なんとなくの感覚で伝わってくることがある。確信はないが、でもそうなんだろうなと漠然と感じる。
「…俺の考えだが、俺1人夢に向かって進んでいくことにAは焦りを感じていたみたいだった。それは両親が教えてくれたAの様子からも感じ取れて。俺という存在がそれだけAに影響を与えていたってことだと思う」
「双子だから？」
「どうだろうな…ただ双子だからこそ、それが伝わるんだ。Aの気持ちが分からないわけではない。むしろ感覚的に嫌って程伝わってくる…寂しい、辛い、置いてかないでってな…」
でも俺もがむしゃらだったし、ソウルに出て練習生になって新しいことだらけで余裕がなかった。寂しさはあったけど、それよりもやりたいことがあったからAほど辛いとかっていう感情はなかった。
それが俺とAの初めてのギャップだったんだと思う。そして俺はそれが気にならなかったけど、Aにとってはとても大きな壁だったみたいだ。
結構悩みの種だったみたいで、ただでさえ体力的な無茶なことしてるのに気持ちもそんなんだから、結局倒れて入院する羽目にはった。
そう淡々と言う俺の言葉を聞いてテヒョンの目は揺れる。きっと複雑な想いが入り乱れているのだろう。
「いつも明るいし、煩いぐらい元気で、小さな身体全部を使って全力で生きてる。でもなんでも内に溜め込む性格だから精神的なもので倒れることもある」
「そっか…それでヒョンはずっとAのこと気にしてたんだね。でもAはそれを口煩いって言ってた」
その言葉に苦笑するしかない。やっぱりかって。
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藍(プロフ) - Yukiさん» ありがとうございます！なかなか話がすすみませんが、ようやくここまできました。引き続きお楽しみ頂ければと思います (2018年11月28日 22時) (
レス) id: de71ef5888 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - 藍さん！！！更新されて一気にここまで読んじゃいました！！これからも頑張ってください！楽しみにしています！！ (2018年11月28日 17時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月28日 0時
