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「こうやってぎゅって抱きしめてくれて、頑張ったねって言ってくれるだけで十分だよ」
「何それ」
テヒョニは可笑しそうに笑うけど、でもその後ちゃんとぎゅって抱きしめてくれて。そして優しい声で「頑張ったね」って言ってくれた。それがまた嬉しくて、ああ好きだなって思う。
あんなことがあったけれど、先輩のことは最後まで好きでいようと思っていた。それでもそれは間違っていると思って、ユンギに義務で付き合うものじゃないと言われてようやく離れることができた。
終わり方は酷かったけれど好きだったのは確かで。辛い思い出でもあるし思い出したくない出来事でもあるけれど、全てを忘れ去りたいわけではなかった。
先輩との思い出を全て酷いものにはしたくなかった。ちゃんと幸せを感じていたこともあったから。先輩を好きだと思ったわたしの気持ちは嘘じゃないと思ったから。同じように先輩もわたしを愛してくれていた時期があったわけだから。
でもそれも今日でおしまいだ。もうテヒョニとの思い出があればいい。綺麗な美化されていたかもしれない思い出も全て崩れ去ってしまった。もう思い返すこともないだろう。
全部全部テヒョニとの思い出に塗り替えれればいいやって思う。
「テヒョナ」
「んー？」
「大好きだよ」
「俺も」
一歩、表に出れば人で溢れているけれど。今だけは、この場所ではわたしとテヒョニだけ。
ぐっと背伸びをして、わたしより高い位置にあるテヒョニの首に腕を回して飛び付くようにキスをする。
そうすれば驚いた顔をするテヒョニだったけれど、すぐにわたしの大好きな笑顔に変わる。そして今度は少し屈んで同じように唇を寄せてくれる。
やっぱりわたし、相当テヒョニが好きみたいだ。テヒョニだけでいいなんて、そんなこと思うなんて自分でもびっくり。
このままずっとずっと温かくて愛おしい時間が続けばいいのに。
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藍(プロフ) - Yukiさん» ありがとうございます！なかなか話がすすみませんが、ようやくここまできました。引き続きお楽しみ頂ければと思います (2018年11月28日 22時) (
レス) id: de71ef5888 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - 藍さん！！！更新されて一気にここまで読んじゃいました！！これからも頑張ってください！楽しみにしています！！ (2018年11月28日 17時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月28日 0時
