22 気付かないフリをしていた想い�� ページ47
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やってしまった…
朝、目が覚めたら隣にユンギがいてびっくりした。そして鈍く痛む頭に、昨日のことを思い出す。
いつもなら次の日に響くからお酒はほどほどにするのに。すごく久しぶりに二日酔いになってしまった。
最後の方の記憶はない。ユンギの部屋で、ユンギのベッドに寝ているということはテヒョニが連れてきてくれたのだと思うんだけど…
それともユンギと合流したのだろうか。全く覚えていなくて、ため息しか出ない。
どちらにせよ、テヒョニにはとても迷惑をかけてしまった。きっと会計もさせてしまっただろうし、酔って寝てしまったであろうわたしを運ぶのも大変だっただろう。
ああ本当に何をしているんだろうか。確かに昨日は飲みたい気分だった。昨日だけじゃない。一昨日だってその前だって。
最近はちょっともやもやしていて、飲んでないとやってられないと思って珍しく家で1人飲んだりした。
でも昨日は我慢できなかった。テヒョニがわたしを待ってくれていたし、甘えてしまった。テヒョニなら、と思ってしまった。
美味しいものを食べてお酒を飲む。わたしのいつものストレス発散方法だ。バイヤーと揉めて納得できないところがあったし、何よりずっともやもやしていたら発散したかったのだ。
本当にテヒョニがいて良かった。こんなに甘えてしまうとは思わなかったけれど、でもテヒョニだから素直に甘えれた気がする。そう思ってハッとする。
「ユンギじゃなかった…」
わたしの横で気持ちよさそうに寝ているユンギを見て、ぽつりと呟いた言葉に自分でも驚く。
いつも愚痴を言う相手はユンギだったのに。そういう時はたくさん飲みたくなるから、ユンギに付き合ってもらうのに。
飲めないテヒョニに付き合わせるとか、わたしばかだな…本当に余裕がなかったんだな。
ユンギに依存してるくせにあまり自分の弱いところをユンギに見せたくないっていう、矛盾した思いもあって。ユンギの邪魔しちゃだめだって遠慮とかもあって、全てを言わないこともあるけど。
それでもやっぱり最後の砦はユンギで。ユンギでなければ曝け出せないこともあったのに…
分かってた。本当はもっと前から気付いていた。
甘えたいのも、頼りたくなってしまうのも、縋りつきたくなるのもいつの間にかユンギじゃなくなっていたことに。でも気付かないフリをしていた。
違うんだ、わたしはユンギしかいないんだって思い込もうとしていた。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
