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ああやっとテヒョンの口から思ってることを聞けるんだなって思えたら、嬉しくなった。なんで本人じゃないのに喜んでるのか分かんないけど。
でもきっとAのことだから、自分のことのように感じれるんだと思う。俺が嬉しいってことはきっとAだって嬉しいんじゃないかって、そんな独りよがりな考えが浮かぶ。
「ユンギヒョン…ずっと言ってなかったけど、俺Aヌナのことが好きだよ」
「ああ」
「ずっとずっとヌナのことが好きて、想い続けてる」
「知ってるよ。俺はずっとAの傍にいたから」
そう言えば苦しそうな、悲しそうな顔で笑う。ああそれが逆にテヒョンを悩ませてるのかって思った。
「うん…それは俺も知ってる。だってヌナを想えば嫌でもユンギヒョンのことも考えないといけないから」
「俺が邪魔だったか？」
そんな厭らしいことを聞けば、勢いよく首を横に振って否定するテヒョン。それに俺は安心する。
「ユンギヒョンっていう存在が大きすぎるとは思ってた、よ…だからヒョンにいっぱい嫉妬した」
思い返してもみてもあまりそんな感じはしなかった。別に嫉妬されても気にならなかっただけかもしれないけど。
でもきっとテヒョンは俺にその嫉妬は見せなかったんだと思う。他のメンバーは気付いていても。
「でも一番怖かったのは、ヌナとの関係が崩れること。だから怖くて何も言えなかった。伝えるのが怖かった」
自分の想いを打ち明けるテヒョンの言葉を黙って聞く。
もうずっとテヒョンはAのことを想ってくれていたことは知っている。ただお互いそこに触れなかっただけで。そしてAもそこから逃げていた、と思う。
「でも最近はもっともっとAヌナの好きが溢れて、我慢できなくなるんだ。でもその度にヌナの笑顔を見て、言えなくなっちゃうの。この笑顔が見れなくなっちゃうんじゃないかって思って」
「逆にその笑顔を生むのがテヒョンかもしれないだろ」
「そう、だったらいいけど…でもやっぱり怖いんだ」
珍しく弱気で、しょんぼりしているテヒョン。そんな様子にらしくないと思う。
「想いを打ち明けるにしても、そのままの状態でいるのもお前の自由だ。俺は口出ししない。ただ俺のことは気にするな。さっきも言ったようにお前ならいいと俺は思ったから。あとは自分たちで決めろ」
「うん…」
願うならば、Aもテヒョンも一緒になって笑い合ってるといい。Aには俺以外がいるって知って欲しいから。
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
