�� ページ15
.
「はい、おしまい！お疲れ様」
背伸びしてテヒョニの頭を撫でれば、また嬉しそうにしていて。本当に素直で可愛いなって再び思った。
その後もメンバーがその場を去るまで、ずっとテヒョニはわたしに引っ付いていて。
最近はそういうことが多いから全く気にしていないけれど、動き辛いからべったりなのは止めて欲しいんだけどね。
でもやっぱりどうしてもテヒョニには甘くて。自分でも自覚してるけど、テヒョニもそれが分かってるから余計に引っ付いてくる。
そしてそうやって甘えられるのも懐かれるのも嬉しくないわけないから。仕事に支障をきたさなければいいかって思っちゃう。
そうやって甘やかして、弟扱いし続けるのがいけないって分かってる。
でも許されるなら、そうやっていつまでも家族のように接していければいいのにって思う。ユンギと一緒。大事な大事な家族なのだと。
ずるいことをしている自覚はある。それでも一歩踏み出すのがどうしても怖いのだ。
**
「夜ご飯は食べたの？」
暗証番号は教えてもらっているので、簡単に入れるユンギの作業部屋。
思っていたより遅くなってしまった仕事にため息をつきながら、ユンギの作業部屋に向かえば。何をするわけでもなく、物思いにふけってる兄の姿があった。
その兄に声かければ、ゆっくりと振り向きながら口を開いた。
「…食ってない」
「やっぱり。お弁当買ってきたけど食べる？」
「食う」
何も食べてはいないんだろうなと思って自分の分と余分にユンギの分も買ってきて正解だった。本当にこの兄はすぐに集中して他のことはどうでもよくなるんだから。
「今日は何時までするつもりなの？」
「何も考えてない。気が済むまで」
「気は済むの？」
「さあな」
食べながら問いかければそんな適当な返事が返ってきてため息をつく。けれどユンギは我関せずという感じで、自分のことなのにと呆れる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 457人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
