�� ページ2
.
「警察に行こう」というテヒョンの申し出をAを拒否する。そこまで大事にしたくないと。
でもテヒョンは我慢できなかった。ユンギにも言わない、警察にも言わない。このままではAはずっと被害に遭い続けることになる。
それでもAは絶対に首を縦には振らなくて。結局、その日はテヒョンは大人しく帰ることにした。
翌日、ユンギの顔を見て全て話しそうになるテヒョンだったが、Aの苦しそうな顔を思い出して結局言うことができなかった。
どうすればいいのだろうか。そんなことばかり考えていたら、仕事にも身が入らなくて、ミスも多くなる。ジョングクに怒られてしまい、さらにしゅんとしてしまうテヒョンだった。
「おい、Aとなんかあったのか？」
あまりのテヒョンの落ち込みように見かねてユンギがそっとテヒョンに問いかける。
「ユンギヒョン…
Aヌナ、全然話そうとしなくて」
テヒョンは言ってしまおうかと思ったがやっぱり言えなくて言葉を濁す。
「でも辛そうにしてるから。俺、力になってあげたいのに。どうすればいいのかな」
「…Aが弱さを見せてるならお前のこと信用してるってことだと思うから。俺にはあまりそういうところ見せようとしないからな。変に遠慮すんだよ、あいつ」
苦笑しながら言うユンギにテヒョンは、よく分かってるなって思った。
「でもあいつが隠してても何かを感じ取ることはできるんだよ。それは昔からそうだった。だから俺が問い詰めて無理やり言わせてんの。でも今回はテヒョンにならちゃんと話すかもな」
そう言われてテヒョンは嬉しくなる。実際に少し強引だったけど聞けば、答えてくれた。ユンギがそう言うならAのことを見守ろう、改めてそう思ったテヒョン。
Aの笑顔を守りたいと思った。年上だけれど、自分よりか弱く小さな存在のAを自分が支えてあげたいと。
兄のユンギではなく自分に打ち明けてくれたのだから、力になってあげたいと思ったのだった。
「今日もヌナに会いに行っていい？」
「お前、仕事には支障をきたすなよ」
「うん、今日みたいなことにはならないようにする」
それからテヒョンは仕事が遅くまでなければ、毎日のようにAに会いに行った。相変わらずAと会っている間は、携帯が着信を知らせ続ける。
一度、自分が出てみようかとテヒョンは思ったがさらに男が激昂したらもっとAに被害があると思って、思いとどまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 457人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
