20 ユンギの気持ち�� ページ37
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作業部屋に籠っていた時のことだった。
マナーモードにしていた携帯が震え出し、振動で大きな音を立てた。考えごとをしていた俺はびくりと肩を揺らす。
そしてゆっくりと携帯を見るが、面倒で手が伸びない。しかし震えが止まらないことから着信だと気付く。時計を見れば、11時近かった。
こんな時間に連絡を寄こすのは誰だ。Aか？と思い、ようやく携帯を手に取った。
しかし表示されているのは「テヒョン」で、Aではなかった。
テヒョンがこんな時間に何の用だと思っていたら、震えが止まる。しかしまたすぐに震えはじめる。やっぱりテヒョンからだった。
「もしもし」
「あ、ユンギヒョン良かった。今どこ？ヌナが寝ちゃったんだけど」
ホッとしたようなテヒョンの声に続くのはAが寝たという言葉。意味が分からない。
「は？Aが何だって？」
「だから寝ちゃったの！今日一緒にご飯食べたんだけど、すごいお酒飲んでたの。ヌナ強いから気にしてなかったら、突然寝始めちゃって。声かけても揺らしても起きる気配ないし、どうしようかと思って」
早口で言うテヒョンの言葉が信じられなかった。
Aが酒飲んで酔って寝るなんて。俺より強いのに。そしてしっかりしてるから、ちゃんとコントロールもできる。それなのに寝てしまうなんて。
「…今すぐ行く。場所、カトクに送れ」
それだけ伝えて通話を切る。作業していたのはそのままにして、上着を羽織り部屋を出た。
酒を飲んでいるということはAは車を運転していない。事務所に車を置きっぱなしか？と駐車場に行けば、案の定Aの車があった。
車の鍵はAからもらっているので、問題はない。気になるのは久しぶりに運転することだが、まあ大丈夫だろう。
Aサイズになっている座席を直して、カトクを見ればテヒョンから店の位置情報が送られ来ていた。それをナビに入れてアクセルを踏む。
そんなに遠くはないようだから、日付が変わる前には宿舎に帰れるだろうか…
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作者名：藍
| 作成日時：2018年11月15日 20時
